電脳補完録資料 Keyword:辛光洙,菅直人,シンガンス,土井たか子

 
辛光洙(シン・グァンス)を含む
「在日韓国人政治犯の釈放に関する要望」
 

私どもは貴国における最近の民主化の発展、とりわけ相当数の政治犯が自由を享受できるようになりつつあることを多とし、さらに残された政治犯の釈放のために貴下が一層のイニシアチブを発揮されることを期待しています。
在日関係のすべての「政治犯」とその家族が希望に満ちた報せを受け、彼らが韓国での社会生活におけるすぐれた人材として、また日韓両国民の友好のきづなとして働くことができる機会を与えて下さるよう、ここに心からお願いするものであります。

1989年

大韓民国
盧泰愚大統領貴下


日本国国会議員一同

 


署名した現職国会議員(06年1月補遺)
土井たか子 衆議院 社民党 兵庫7区 (日朝友好議連)(2005年落選)

菅直人 衆議院 民主党 東京18区
(2009年9月16日 国家戦略局担当相に就任)

田 英夫 参議院 社民党 比例 (日朝友好議連)
本岡昭次 参議院(副議長) 民主党(元社会党) (2004年引退)
渕上貞雄 参議院(社民党副党首) 社民党 比例 (日朝友好議連)
江田五月 参議院 民主党(元社民連) 岡山県
佐藤観樹 衆議院 民主党(元社会党) 愛知県10区 (2004年辞職 詐欺容疑で逮捕)
伊藤忠治 衆議院 民主党(元社会党) 比例東海(2005年引退)
田並胤明 衆議院 民主党(元社会党) 比例北関東(2005年落選)
山下八洲夫 参議院 民主党(元社会党) 岐阜県 (日朝友好議連)

千葉景子 参議院 民主党(元社会党)神奈川県
(2009年9月16日 法務大臣に就任)

山本正和 参議院 無所属の会 比例 (社民党除名)(日朝友好議連)

下図にある田辺誠(元社会党委員長、金丸・田辺訪朝団、議員引退)、現在は民主党群馬常任顧問としてにらみを効かす。民主党群馬は角田義一(元参議院副議長、元社会党員、訪朝経験あり)が朝鮮総連から寄付を受けるなど、総連と親しい関係を保つ。

安倍官房副長官:「土井、菅はマヌケ」過去の拉致事件対応批判

安倍晋三官房副長官は19日、広島市で講演し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の元工作員、辛光洙(シンガンス)元死刑囚による原敕晁さん(行方不明時43歳)の拉致事件について、社民党の土井たか子党首と民主党の菅直人前幹事長が辛元死刑囚の釈放を韓国政府に要求したことがあると指摘。「土井たか子と菅直人はきわめてマヌケな議員なんです」と名指しで厳しく批判した。
 安倍氏はさらに、「社民党や民主党が、いかにも昔から拉致事件に取り組んでいるかのように、小泉純一郎首相の決断を批判するのはちゃんちゃらおかしい。彼らはまず反省すべきだ」と、両党の過去の対応も批判した。
 政府の現地調査結果では、北朝鮮側は同元死刑囚が80年に原さんを拉致したことを認めたうえで、「法的な枠組みができれば(身柄を)提供する」としている。警視庁は同元死刑囚について今年8月、旅券法違反容疑などで逮捕状を取っている。
(毎日新聞2002年10月20日東京朝刊から)

「土井、菅両氏は間抜け」官房副長官が批判
 「いかにも(自分が)昔から取り組んでいたかのように、小泉(純一郎)首相の決断を批判するのは、ちゃんちゃらおかしい。まずは反省するべきだ」。安倍晋三官房副長官は19日、広島市内で開かれたシンポジウムで、北朝鮮による日本人拉致事件をめぐる民主、社民両党議員の過去の対応を厳しく批判した。
 特に、原敕晁さん拉致事件に関与したとされる辛光洙元北朝鮮工作員の無罪放免を韓国当局に求めたことがあるとして、土井たか子社民党党首と菅直人民主党前幹事長を「極めて間抜けな議員」と酷評。日朝平壌宣言署名の経緯や北朝鮮の核開発問題をめぐり、臨時国会で攻勢を強めるとみられる野党側を強くけん制した。
 安倍氏は1997年に国会で拉致事件を取り上げた際のことを回想し「警察も外務省も対応が冷たく、新聞もどこも報道しなかった。それどころか社民、民主の議員は『いいかげんなことを言うな』とわめいていた」と指摘した。
 副長官として首相官邸入りする前から、拉致被害者や家族の支援に取り組んできた安倍氏。小泉首相訪朝にも同行、ようやく解決の糸口を見いだしたにもかかわらず、野党の批判がやまないことに、業を煮やして昔話を持ち出したようだ。
(産経新聞2002年10月20日朝刊から)

 

菅 直人が釈放を要求した「工作員全リスト」(週刊文春)

 間抜けは誰か――。安倍晋三官房副長官が言い放った「土井たか子氏と 菅直人氏は間抜け」発言が、みっともない展開を見せている。
 話の発端は89年。韓国の盧泰愚大統領へ、土井氏や菅氏ら133名の 国会議員が、『在日韓国人政治犯の釈放に関する要望』という署名を 提出したことに始まる。「政治犯」29名を列挙して無罪放免を訴えた ものだが、その中に原敕晁さん拉致事件の実行犯、北朝鮮工作員・辛光洙が 含まれていたのだ。

「菅事務所側は署名当時、辛光洙のことを知らなかったと言い、逆に安倍 事務所に電話でこう告げたそうです。『蓮池さんらが拉致された78年当時の 官房長官は、(安倍氏の父の)晋太郎さんですよね。誰が間抜けな官房長官 だったか、という議論になりかねませんよ』。脅しとも取れる言い方に、 安倍事務所側は唖然として返す言葉がなかったそうです」(自民党関係者)
 拉致被害者の家族がテレビで切々と真相究明を訴えているのに、何とも みっともない応酬である。菅氏は自身のホームページで謝罪したものの、 「事実関係を再調査中」と記している。
 しかし、安倍発言の13年前、すでに小誌は、土井氏ら署名議員の 間抜けぶりを指摘していた(89年9月28日号参照)。さらに今回、 菅氏に代わって「再調査」すると、辛光洙以外にも多くの工作員の存在が 新たに判明した。確かに間抜けではない。大間抜けだったのである。
 まず、警察関係者の証言。
「29名中、スパイ容疑で逮捕されたのは10名弱です。彼らは日本に 滞在中、北朝鮮からの工作船の接岸ポイントをつくったり、自衛隊や 米軍基地の情報収集を行なっていました」
 次に、元朝鮮総連幹部の張明秀氏が解説する。
「列挙された政治犯の多くは、有名な工作員グループに在籍していました。 ひとつは『烽火山グループ』。これは関東地域で秘密工作を行なっていた 朝鮮総連の非公然組織です。責任者は総連東京本部の金学根副委員長。 彼らは在日韓国人を”獲得”して、”教養”と称するスパイ教育を施す んです。北朝鮮に密航させて、”教養”を受けさせることもありました。 また、在日だけでなく、韓国に密航して”獲得”して来ることもあった。 スパイに仕立て上げられた若者たちは、対南工作要員として韓国に潜入 するのです」
 また、菅氏らが署名した釈放要請書には、辛光洙の共犯者・金吉旭の名前や、 75年に大阪で発覚した「学園浸透スパイ団事件」の中心人物・白玉光と 共謀者3名、「鬱陵島拠点スパイ団事件」なる韓国東海岸の鬱陵島を拠点に スパイ網を張っていた地下工作員グループのメンバーも名を連ねている。 彼らのほとんどが、日本から何度も北朝鮮に密航してはスパイ教育を 受けていた。
 張氏が続ける。
「名前があがっている徐勝は、72年11月に開かれた韓国での第2審で、 北朝鮮に2度渡って労働党員になったことや、長兄に誘われてスパイ団に 入ったことを認めているんです。この公判には、日本から大勢の救援団体が 押しかけましたが、徐勝の証言を聞いて運動は白け、鎮静化しました。 しかし80年2月、朝日新聞は徐勝の母親のインタビュー記事を、同情を 誘うような内容で紙面いっぱいに掲載。これで救援運動が再燃しました。 雑誌『世界』や和田春樹東大教授も追随して、その結果、徐勝以外の辛光洙ら すべての政治犯まで『釈放せよ』という運動に広がってしまったんです。 当時、土井たか子が国会の壇上で雑誌を振りかざし、この問題に言及していた 姿を今でも覚えています」
 こうした日本の政治家の自覚の甘さを、北朝鮮は常に利用してきた。 知らなかったでは到底済まされない。


2003年10月14日 安倍幹事長の選挙応援の街頭演説

 

 


安倍晋三vs菅直人

安倍晋三
「菅さん、今いろいろヤジを飛ばされましたけども辛光洙というスパイがですね
これは拉致に関わっていたスパイ、これを釈放しろと言ったのは菅さんですからね」

菅直人
「ちょっと待ってください、これだけはちゃんと答えさせて、ちょっとまって、ちょっとまって、ちょっとまってください
これだけは、いやいやそうじゃない、これはですね今から約20年前に社会党が中心になって、在日外国人
つまり日本生まれの・・かい・・がいこく・・あのー韓国人があのー・・んん・・民主化運動をやって逮捕されたので
それに対して、その釈放要求の署名をしてくれと当時の、えーあの多分んーあのー土井委員長から当時私の居た
社民連の、ちょっと待ってください、委員長のえー田さんに話があって、私は田さんからの話しだったので
それに署名しました。それは日本生まれのですよ、日本生まれの・・あの・・韓国人が、あーいや・・あのー
全斗煥政権で、そういう活動したのを、釈放してくれっていう趣旨だからということで、えー署名した事はあります。
しかしその人間が、だ・誰かというのをですね、えーいちいち調べるような余裕が無い時の署名です。

 


「拉致犯釈放」署名のマヌケ仲間 (週刊新潮)

拉致問題で御託を並べる野党議員に安倍晋三官房副長官が反発。かつて韓国で 逮捕された日本人拉致犯の釈放を求めた連中を名指して”極めてマヌケな議員” と揶揄したが……実は青島幸男前都知事や村山富市元首相以下約130人の 政治家も同罪なのだ。
 
 安倍官房副長官が暴露したのは土井たか子社民党党首と民主党の菅直人 前幹事長の名前だけである。しかし、彼らが署名した『在日韓国人政治犯の 釈放に関する要望』と題する嘆願書を読むと、いかに13年も前(89年)の 行為とはいえ、その不見識ぶりには顔を覆いたくなるほどだ。
<貴国においては……十数名の在日韓国人及び、ほぼ同数の在日関連者が今日も 「政治犯」として獄中にあります>
 以下、合計29人の釈放要望者名を列記。しかもそこには日本人拉致犯の リーダーで、北朝鮮の大物スパイ・辛光洙の名前まで入っていたのに、
<彼らが一日も早く釈放され、家族の元に帰ることができるよう切に願って おります>
 と、したり顔で嘆願、これを当時の盧泰愚・韓国大統領に届けたというので ある。現代コリア研究所の佐藤勝巳所長が苦言を呈する。
「彼らは在日韓国人の訴えで行動したつもりでも、実際には裏にいる北朝鮮の 工作員に踊らされていただけでね。主体性の欠片もなく、どんな書類にでも 署名してしまう政治家の無責任さには呆れます」  この嘆願のおかげもあって、86年に韓国の法廷で死刑を宣告された辛光洙は 99年に出獄。強制送還された北朝鮮では英雄として迎えられ、今も羽振りを 利かせている。
「日本人拉致被害者名簿には、80年に拉致され、死んだとされた原敕晁さんの 名前もあった。しかし拉致グループのリーダーだった辛は、正にその原さんの パスポートで日本人になりすまし、85年に韓国で逮捕されたのです。 彼の身柄が現在も確保されていたら、拉致被害者の様子や正確な人数が、 もっと知りえたはずだった」(北朝鮮ウォッチャー)
 結果的には辛光洙の釈放に利用されただけの嘆願書だったが、驚くのは、 これに当時の野党政治家128人が堂々と署名していたことだ。

公明党議員の署名 本紙はその署名簿の全コピーを入手。先の菅、土井の他に山口鶴男、田辺誠、 村山富市、青島幸男、上田哲、田英夫など、かつての有力議員達に混じって 公明党の塩出啓典元議員以下6名も名前を列ねているのを確認したのである。
 で、さっそく当事者達を直撃、その言い訳を聞いてみると……当時、社民連に 所属していた菅直人議員は言う。
「釈放を要望した人物の中に辛光洙がいるとは知りませんでした。 そんな嘆願書に署名したのは私の不注意ですので、今は率直にお詫びしたい」
 案外、素直に反省してみせるのだが、既に政界から去ったOBや長老連中は、 とても一筋縄ではいかない。かつての社民連代表・田英夫氏が、
「あの時代の韓国政府に対する嘆願書の類は、社会党の議員と一緒に年に 2回位ずつ出していたからね。問題の書類がどれだったか、今ではとても 思い出せませんよ」
 と惚ければ、社会党の書記長だった山口鶴男氏も言う。
「サインは秘書が代筆したのかもしれない。が、いずれにしろ当時、 朝鮮労働党と友党関係にあった我々にさえ、彼らが拉致犯人の存在を隠していた のは遺憾に思うね」
 まるで浮世離れしているのだが、そんなところは村山富市元首相も青島幸男 前都知事も……なぜか、そっくり。
「そんな嘆願書の存在自体をわしゃ、覚えてない」(村山氏)
「えー、今は休憩中と書いておいてくれと、青島本人が言っています」 (マネジャー氏)
 マヌケどころか実体は、無責任極まる御仁達なのだ。

当時の社会党委員長山花貞夫氏の週刊文春の取材に対する回答

『なお「在日関連者」とは一時的にせよ日本に滞在し、滞在中の言動が韓国において罪に問われた「政治犯」(国家保安法の適用等)を指すと理解している。辛光洙氏が日本人コックの原氏を北朝鮮に拉致したかどうかについては、韓国当局の一方的発表が報道されただけで、事の真否を確認する立場にはないが、日本における言動が問題にされている以上、辛光洙氏を「在日関連政治犯」の範疇から除外する積極的理由はないものと思われ、その人権上、人道上の問題について関心を持つのは当然である。』

週刊文春1989年9月28日号

第116回国会 予算委員会 第5号
平成元年(1989年)十月二十六日(木曜日)

○石井一二君 最近、日本社会党さんが南北等距離外交ということを韓半島に対して言っておられる。こういった中で最近の週刊文春に「土井委員長が署名した「北朝鮮スパイ」釈放要求書」、このように題する記事が出たわけでございます。
 その記事をよく読んでおりますと、土井委員長らほとんど日本社会党の国会議員、すなわち百十九人が署名した北朝鱒スパイ釈放要求書というものが盧泰愚大統領のもとに送り届けられたと。もう少し記事等の内容等を読んでおりますと、日本人の原敕晁さんという方が八五年二月二十六日にソウルで逮捕されておるわけでございますが、その前にこの方は行方不明になったまま現在行方がわからない。その替え玉として北朝鮮の方が五十七年から五十九年まで年一回ずつモスクワ、スイス、北京、北朝鮮等を経由していろんな活動をなされたということでございました。私は週刊誌がひょっとして間違っておらぬかということで八方手を尽くしましたら、ここにそれがございますが、このようなきれいな表紙のついた「在日韓国人政治犯の釈放に関する要望」という書類があるわけでございます。まさかと思って中をずっと見ておりますと、ここに土井たか子委員長の御署名もある。これは本物ですか。そのとおりということでございます。
 私は、このような中で東西の緊張というものが我が国の平和のために極めて大きな意味を持つ。このような中で将来政権をも担当されようという日本社会党さんがどのような言動をされるかということは国民の極めて強い関心事であり、国家にとっても重要な事項ではないかと思うわけでございます。


2002年10月21日 
「安倍副長官の『間抜け』発言は断じて許さない」民主党佐藤国対委員長
 民主党の佐藤敬夫国会対策委員長は21日、安倍官房副長官が19日に民主党の菅直人前幹事長、社民党の土井たか子党首と両党について「きわめてマヌケな議員」「ちゃんちゃらおかしい」などと発言したことについて、「地方ではキャンキャン言うくせに、国会では堂々と真正面から答弁しようとしない。このような発言は、政治家としての資質が問われる」と厳しく批判した。
 安倍官房副長官の発言は、菅前幹事長と土井党首が、原敕晁さんを拉致した北朝鮮の元スパイ、辛光洙(シンガンス)元死刑囚の釈放を韓国政府に要求したことがあるという事実を挙げ、「土井たか子と菅直人はきわめてマヌケな議員なんです」と批判したもの。同氏はさらに、「社民党や民主党が、いかにも昔から拉致事件に取り組んでいるかのように、小泉純一郎首相の決断を批判するのはちゃんちゃらおかしい。彼らはまず反省すべきだ」と、両党にも批判を向けていた。
 これに対して佐藤国対委員長は、問題の韓国政府への要求は13年前になされたものであり、当時菅前幹事長は社民連所属だったと指摘したうえで、「安倍副長官こそ、自分が平壌に行ったときには、総理の袖を引っ張って『帰りましょうよ』と言ったらしいが、こどもの使いじゃあるまいし。今回の補選での『政治とカネ』という本来の争点をぼかすために、北朝鮮問題を政治利用していることは明らかだ」とし、今後予算委員会などで安倍副長官を厳しく追及することを表明した。
 この件について、菅前幹事長は、自らのホームページの中で「13年前の130数名の超党派の国会議員の要望書に私の名前があるということで痛烈に批判している。当時の記憶をたどると、要望書は韓国の民主化運動で逮捕された東大生など在日韓国人について韓国政府に対し釈放を要望するという趣旨で同僚議員から賛同を求められたもの。対象はあくまで民主化運動に関係した在日韓国人の政治犯と説明され、この中に日本人に成りすました北朝鮮の工作員シンガンス容疑者が含まれていたことは当時全く知らなかった。事実関係を再調査しているが、シンガンス容疑者が含まれた政治犯釈放の要望書に名を連ねていたとすればそれは私の不注意。お詫びをしたい」と説明している。

釈放運動への署名、民主・菅氏が「私の不注意」と謝罪
 安倍晋三官房副長官が、北朝鮮による拉致事件の実行犯とされる辛光洙(シン・グァンス)容疑者の釈放運動をしたとして民主党の菅直人前幹事長や社民党の土井党首を「まぬけな議員」と発言したことについて、菅氏は自らのホームページで「辛容疑者が含まれた政治犯釈放の要望書に名を連ねていたとすれば私の不注意。おわびをしたい」と謝罪した。
 ただ、安倍氏の発言については、「統一補選を意識してか、拉致事件をあまりにも政治的に利用する意図的発言だ」と批判した。また、社民党は21日の衆院議院運営委員会で、自民党に対し「公党の党首に対して由々しき発言であり、慎んでいただきたい」と主張した。
 これに対して、安倍氏は21日の記者会見で、「広辞苑を調べたら『マヌケ』は『ぬかりがある』ということ。(菅氏らに)確かにぬかりがあった」と再批判した。
 安倍氏は「(社民党などの反論は)言葉が不適切という批判かもしれないが、事実を受け止めていただきたい」と強調。「(辛容疑者に拉致されたとされる)原敕晁(ただあき)さんは今、ものが言えないわけで、原さんとご家族の気持ちを私は代弁した」と説明した。(朝日新聞02/10/21


安倍官房副長官の「まぬけ」発言に野党反発

  民主党の佐藤敬夫国会対策委員長は21日の記者会見で、原敕晁(ただあき)さん拉致事件に関連して安倍晋三官房副長官が社民党の土井党首と民主党の菅直人・前幹事長を名指しで「まぬけ」と述べたことについて、「この時期に誹謗(ひぼう)中傷するのは、政治とカネの問題をぼかす話で許せない」と批判した。
  社民党は、日森文尋衆院議員が同日の衆院議院運営委員会理事会で「ゆゆしき発言だ」と与党側に抗議。土井党首も記者団に「人格とか品格の問題にかかわる」と不快感を示した。
 これに対し、安倍氏は21日夕の記者会見で、「『まぬけ』を辞書で引くと『抜かりのあること』とある。(土井氏らの対応は)確かに抜かりがあったと思い、そういう発言をした。原さんや家族の気持ちを代弁した」と述べ、撤回する考えがないことを強調した。(スポニチ02/10/21)

 

140 衆院・外務委員会 1997/06/04

○安倍(晋)委員 そういう意味では大分いろいろな情報をとっていただいたわけでございますが、このことは本当に参考になっていくのではないか、私はこのように期待しておりますので、今後とも調査をしていただきますように、よろしくお願いしたいと思います。

 国会におきましても、拉致疑惑に関する日本人及び日本人の家族に対する支援をする議員連盟が発足いたしまして、大変な数の議員に参加をしていただきました。残念ながら、まだまだ自民党、新進党以外の皆さんには、余りたくさんの皆さんには参加をしていただいていないわけでございますが、こうした議連が今後果たしていく役割は大変大きなものがあると思いますし、北朝鮮に対して大きなプレッシャーにもなる、こういうふうに思っております。北朝鮮に早く人道的な支援をしようという心優しい人たちが余り参加をしていただいていないという皮肉な現状にあるわけでございますが、今後とも議連を通じて私も頑張っていきたい、このように思っておる次第でございます。

 続きまして、警察庁に質問をいたしたいと思うわけでありますが、先般十六日も質問をいたしました辛光洙事件であります。

 この辛光洙事件というのは、日本人の原敕晁さんに北朝鮮の、これはかなり大物スパイと言われておりますが、辛光洙が入れかわって、この原敕晁さんを拉致して、原敕晁さんに成りかわって辛光洙が入ってきて、原敕晁さんの名前でパスポートあるいは免許証も取得をして、そして韓国に再入国をしていろいろな活動をしていた中で逮捕をされたということであります。

 裁判記録からもいろいろなことがはっきりしてきているわけでございますが、我が国国内の北朝鮮系の商工団体の会長、理事長が実際にこの原敕晁さんを拉致する謀議に明らかにかかわっていたということも裁判記録ではっきりいたしているわけでございまして、その二人とも特定することができます。一人は、原敕晁さんが勤めていた中華料理店のオーナーであり店長であります。この人がその商工団体の理事長だったわけでありますが、彼が、自分のところにいいのがいるからこれを拉致してしまおうということで謀議した結果、原敕晁さんはある日忽然と姿を消すわけであります。そして、この成りかわった辛光洙がスパイとして活動したということであります。

 皮肉なことに、この辛光洙につきましては、一九八九年七月十四日に、盧泰愚大統領に対して、在日韓国人政治犯の釈放に関する要望というのを出したのですね。これは、衆参超党派の百三十数名の議員の皆さんが、この二十九人の政治犯を釈放してくれ、この人たちは無罪だと言って、土井たか子さん、菅直人さんを初め多数の議員の皆さんが釈放要求したわけでありますが、なぜかこの二十九人の政治犯の中にこの辛光洙が入っていたのですね。

 この辛光洙というのは、まさに原敕晁さんに成りかわって、我が国としては許すことのできないスパイですね、その人を釈放しようということを何と我が国の国会議員がやっていたので、私は大変驚いてしまったわけであります。

 この辛光洙は今刑務所で服役中であります。この辛光洙については、十六日の当委員会でも私が質問したように、パスポートあるいは免許証、これを公文書偽造している、我が国の国内の法律にも違反をしているわけでありますから、当然これは警察もこの辛光洙を韓国政府とかけ合って調べるべきである、私はこういうふうに思うわけでございますが、警察庁の御見解を承りたいと思います。

○内田説明員 委員御指摘の辛光洙事件でございますけれども、この辛光洙事件も含めまして、一連の北朝鮮による拉致の疑いのある事件につきましては、今後とも、韓国当局との情報交換を含めまして、関係機関と連携をしつつ、所要の捜査を継続してまいる所存であります。よろしくお願いします。

○安倍(晋)委員 これはまさに国家による犯罪なのですね。国家による犯罪ですから、これを解決していくためには、やはり国家が強い意思を持って相対していかなければ、決してこれを解決することはできない、このように思うわけであります。まさにその入れかわってしまったスパイが捕まっていて、その人に対してまだ尋問を行っていないとすれば、怠慢のそしりを受けてもしようがないのではないか、私はこういうふうに思っております。

 そして、しかも調書の中で謀議に加わった人たちがのうのうとしているわけであります。それで本当に我が国の治安が守られているかどうかというのは、これは本当に耳を疑わざるを得ないようなことが公然と起こっているわけでございます。

 その点について外務大臣にお伺いをしたいと思うわけでございますが、この調書をとるべく韓国政府にぜひとも交渉をしていただきたいと私は思うわけでございます。外務省としての御見解をお伺いしたいと思います。

○池田国務大臣 我が国の法に違反した行為が行われた場合には、当然のこととして、捜査当局中心に政府としてもきちんと対応しなくてはいかぬ話だと思います。ましてや、我が国の国民の安全にかかわる問題であるならば、外務省も含めまして、政府としても当然大きな関心を持っているところでございますので、いずれにいたしましても、関係省庁ともよく相談をしながら適切に対応してまいりたいと思います。

○安倍(晋)委員 では、もう一度警察にお伺いします。この辛光洙を尋問するのですか、しないのですか。答えてください。

○内田説明員 先ほどもお答え申し上げましたけれども、辛光洙事件を含めまして一連の北朝鮮拉致の疑いのある事件につきましては、韓国当局との情報交換を含めて、関係機関と連携をしつつ、所要の捜査を実施してまいる所存でございます。

 なお、個別の事件の捜査の個別具体的な内容につきましては、捜査上の秘密の保持というような観点から、答弁を差し控えさせていただきます。

○安倍(晋)委員 当然、その秘密の保持というのも必要なのでしょうけれども、我々としては、疑いとしては、本当にやっているのかどうかという疑いを持たざるを得ないのですね。今まで何回かの拉致議連において関係省庁の皆さんにお集まりをいただきまして質問をさせていただいたのですが、そういう疑問も本当にわいてくるような答弁ばかりであったわけでございます。

 ですから、きょうは厳しく質問をさせていただいているわけでございます。ぜひとも、そこにもうスパイが捕まっているわけですから、しかもこの人は原敕晁さんに入れかわってしまったわけですね。原敕晁さんはいまだに行方不明なのです。ですから、その重要な、容疑者というよりも、これはもう刑が確定している人ですね、確定しているわけですよ、韓国において。ですから、その人に尋問をしないというのは、もう全く捜査当局がやる気がないということ以外にはないと私は思うわけでありますから、これはぜひともやっていただきたい。政府が強い意思を持って韓国側と交渉して、この辛光洙に対する尋問を行っていただきたいと強く要求をいたしたい、このように思う次第であります。

 

辛光洙の逮捕を報じる昭和60年(1985年)の朝日新聞