七日の自民党外交関係合同部会の出席議員による主な発言は次の通り。
●食糧支援は重要な外交カード
吉田六左エ門氏「外務省に聞きたいが、拉致(らち)された人の家族とはいつも連絡はしているのか。コンセンサスは取れているのか」
平沢勝栄氏「拉致は凶悪犯罪だ。政府は全力で追及しなければならない。食糧支援をしたら、拉致問題が解決する見通しは何か。食糧支援は最も重要な外交カードだ」
●疑惑の解明が先
宮路和明氏「北朝鮮には過去にも支援をしている。それについてどう評価しているのか。いかなる反省をしているのか。カードをどんどん切って、向こうの言いなりになっている。拉致疑惑の解明をするという前提なくしてはだめだ。疑惑の解明が先だ」
●飢餓は体制の問題
石破茂氏「支援した食糧は北朝鮮の本当に困っている人に届けられるのか。コメをあげますと言ったら、すぐに拉致された人を帰してくれる相手ではない。どのように捜したかを聞くべきだ」
安倍晋三氏「北が行方不明者を捜しましょう、日本人妻を里帰りさせましょうと言ってきたのは、日本が支援をしていないときだ。しかし、食糧支援をした途端に日本人妻の第三陣が帰ってこなくなった。食糧支援をしたからうまくいくというよりは、していないときの方がうまくいっていた」
穂積良行氏「北朝鮮の飢餓状態は天候、自然の問題ではなく、体制の問題だ。手を貸せば体制を助けることになる。支援に何の意味があるのか。現政権が続く限り拉致された人を返すものか」
山中■子氏「交渉は焦らないでほしい。いろんなものを盛り込んでほしい。農業構造改革の方に技術者などの支援をする考えはどうか」
●外務省は交渉経過の透明性を
松下忠洋氏「外交部会として、党本部に陳情に来ている拉致された家族とその支援者に納得のいく説明をできるようにすればいい」
谷洋一氏「北朝鮮には産業はミサイルしかない。私たちが想像を絶する国だ。いくらいいことを言っても信用はできない。外務省は情報公開という意味からも交渉経過を詳細に教えてほしい」
■=火へんに華
[産経新聞 2000年03月08日 東京朝刊]
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