来日している大韓航空機爆破事件の実行犯・金賢姫(キム・ヒョンヒ)元工作員と拉致被害者の家族との面会が行われ、その中で金元工作員は、北朝鮮で横田 めぐみさんと会ったのが、1984年だったことを明らかにした。
有本恵子さんの母・嘉代子さんは、「生きてますよということを言われました。あの方もね、生きているから、がんばってくださいよ。そんなに悲観しないで、希望を持ってがんばってくださいねって、励ましてくださいました」と語った。
一方、中井拉致問題担当相が、22日午前の会見で、「田口 八重子さんが6〜7年前まで元気にしていたという情報に接している」と述べたことについて、田口さんの兄の飯塚繁雄さんは「信ぴょう性はわからないが、きちんと精査し、自信を持った報告を待ちたいと思う」と述べ、今後の政府の対応に期待をにじませた。
西岡力救う会会長:横田めぐみさんと金賢姫の面会時期は1987年1月と推定できる。横田めぐみさんご両親と金賢姫の懇談結果を受けて、以下のような解説を救う会メールニュースに書きました。
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2010.07.22)
■横田めぐみさんと金賢姫の面会時期は1987年1月と推定できる。
西岡 力(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会会長)
7月22日午前、軽井沢で持たれた記者会見で、横田滋、横田早紀江ご夫妻は、21日夜金賢姫から聞いた、めぐみさんとの面会について次のように語った。
・ 金賢姫がめぐみさんの会ったのは1回だけだ。
・ 中国とか海外での仕事を終えて北朝鮮に帰ってきて淑姫から「久しぶりだからめぐみちゃんに会いに行くから一緒に行かないか」といわれて会いに行った。
・ 時期、場所は分からない。
・ 何回も会ったとか、お腹が大きいのを見たという話しは間違いであり、金賢姫から訂正を頼まれた。
金賢姫と金淑姫の当時の動向を調べてみると、金賢姫は1984年12月と1987年1月の2度、海外での任務を終えて帰国している。このうち1987年1月の帰国後に、金賢姫、金淑姫、横田めぐみの面会があったと思われる。
金賢姫は1985年7月に淑姫と共に中国広州に行って中国人化実習をし、86年8月マカオに移りやはり2人で自炊生活をしながら実習を行なった後、1987年1月に2人で平壌に帰った。2人は帰国後、同年9月まで龍城5号招待所で思想再武装教育を受ける。
1987年1月に重弔瓩阿澆気鵑蓮田口さんと86年に分かれ韓国人拉致被害者金英男と結婚した。同じく86年に中和郡忠龍里招待所を出て、北朝鮮の発表では太陽里、安明進証言では金正日政治軍事大学境内の外国人教官宿舎に住んでいた。実は、太陽里も金正日政治軍事大学も、金賢姫と金淑姫が入った龍城5号招待所と近い場所にある。本来、任務と関係ない教官に会いに行くことは禁止されている。しかし、近くにめぐみさんが住んでいることを招待所関係者から聞いた淑姫が「久しぶりだからめぐみちゃんに会いに行くから一緒に行かないか」と金賢姫に誘ったということは十分あり得ることだ。
もしこの時期に面会があったとすると、めぐみさんは妊娠1から2ヵ月であったことになる。金賢姫の話しのように「お腹が大きいのを見たのは間違い」だが、妊娠中のめぐみさんに会ったことにはなる。情報が一部ゆがんで伝達されたとするとつじつまが合う。
一方、もう一つの可能性である1984年12月は、同年7月に金賢姫が金淑姫と別れて金勝一と一緒になり海外実習を行なって帰国した時になる。この時のことを金賢姫は2009年3月11日、釜山で飯塚繁雄、飯塚耕一郎親子に次のように証言している。
「85年1月、海外実習から帰ってきて淑姫と合流した。そのとき淑姫は、84年末に田口さんとめぐみさんと淑姫の3人で市内から遠く離れた招待所で一緒に生活したと言っていた。淑姫によれば、そこは電気事情が悪く寒いので、服を何枚も着重ねていたということである」
また、帰国した被害者は同じ時期のことについて以下のように証言している。
「(平壌市南にある中和郡忠龍里1地区の1号招待所に蓮池夫妻、7号招待所に地村夫妻が生活していた。)1985年1月前後に、1地区3号招待所に、田口八重子さん横田めぐみさん、スッキと呼ばれる朝鮮女性の3人を見かけた。その後、スッキは見えなくなり、田口八重子さんと横田めぐみさんが1地区3号招待所で暮らしていた」
もしこのとき金賢姫がめぐみさんと面会したのであれば、当然、めぐみさんと同居していた田口八重子さんとも再会していなければならないし、中和郡忠龍里の招待所だと特定できなければならない。だが、金賢姫はその時期の田口さんと会っていない。会っていれば飯塚さん父子に伝えているはずだが、それはない。したがって、金賢姫がめぐみさんに会ったのは、1984年12月ではないだろう。
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