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 News : 特定失踪者、古川さんの姉が講演 千葉
        投稿者 trycomp 投稿日時 2010-3-13 6:13:33 (18 ヒット)
News
 千葉市中央区のホテルで12日に開かれた会合で、朝鮮半島問題専門誌「コリア・レポート」の辺真一さんと、北朝鮮による拉致の疑いがある特定失踪(しっそう)者の古川了子(のりこ)さん=市原市=の姉、竹下珠路さんが講演した。
 竹下さんは県内の特定失踪者を紹介し、「県内、国内でたくさんの人が人生を空白にされていることを考えてほしい」と訴えた。
 また、昨年11月に中井洽拉致問題担当相と面会した際、中井担当相から「外国で『日本人は何人の拉致被害者がいるのか』と聞かれ、答えられなかったのが悔しい」と打ち明けられたことを明かした。
 辺さんは「北朝鮮の現実とこれからの動き」と題して講演。核問題と拉致問題について「核についてはともかく、拉致は日本が中心になって解決しなければならない」と訴え、「まず拉致被害者の正確な数を把握することが必要だ。トップ会談が解決のために有効な手段だと思う」と話した。
 県内の特定失踪者は千葉市や船橋市、館山市などで、古川さんを含め13人以上。

http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/chiba/100312/chb1003121928007-n1.htm
 News : 松木薫さんの母、89歳の誕生日
        投稿者 trycomp 投稿日時 2010-3-11 5:58:34 (92 ヒット)
拉致被害から30年、病床で息子との再会願う

 北朝鮮による拉致被害者で熊本市出身の松木薫さんが、26歳の時に留学先のスペインから消息を絶って今年で30年。薫さんの母・スナヨさんは息子の帰りを待ちわびながら、10日、89歳の誕生日を迎えた。病院に寝たきりでほとんど会話できない状態だが、息子の無事を祈り、再会を願い続けている。(堀美緒)

 薫さんの音信が途絶えたのは、京都外語大大学院生だった1980年夏。88年、札幌市出身の石岡亨さん(拉致時22歳)の実家に、北朝鮮で薫さんらと暮らしているとの手紙が届き、拉致事件が発覚。その後、北朝鮮から薫さんの遺骨とされる骨が提供されたが、偽物だった。

 薫さんの父・益雄さんはただ一人の息子との再会を切望しながら90年に亡くなった。スナヨさんはその頃から認知症の症状が出始め、約10年前、県内の病院に入院。以来、寝たきりの状態だ。2006年には吐血して救急病院に搬送された。原因は複数の胃潰瘍(かいよう)。薫さんの姉・斉藤文代さん(64)は「『薫に会いたい』との思いと、それをうまく話せない苦しさがあったんでしょうね」と慮(おもんぱか)る。

 2月中旬、拉致問題を担当する政府関係者がスナヨさんを訪ねた。問題解決を誓う担当者に、スナヨさんは手を伸ばし握手を求めたという。

 スナヨさんは時折、「もう頑張れませんよ」とつぶやくことがある。そのたびに、文代さんから、「薫が帰ってきた時に、『お帰り』って言うんでしょ。練習してみよう」と励まされ、文代さんの耳元で、「お帰り」と口を動かす。

 文代さんが10日朝、病室を訪ねると、スナヨさんは眠っていた。前日には、「明日は誕生日よ。薫が帰ってくるまで頑張ろうね」と呼びかけると、スナヨさんは「はい」とか細い声で答えた。

 拉致被害者の親の高齢化が進んでおり、文代さんは「わずかな時間でもいいので、親たちに再会させてあげたい。被害者家族が、解決に向かっていると実感できるよう、政府は北朝鮮と交渉してほしい」と訴えている。

(2010年3月11日 読売新聞・熊本)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kumamoto/news/20100310-OYT8T01267.htm




 News : テレビ朝日の対応 倫理上問題
        投稿者 trycomp 投稿日時 2010-3-10 23:06:57 (96 ヒット)
News
テレビ朝日の討論番組で、ジャーナリストの田原総一朗さんが、北朝鮮による拉致被害者が「生きていない」などと発言したことについて、BPO=「放送倫理・番組向上機構」は、「人権侵害とは認められないが、謝罪放送の方法などに放送倫理上の問題があった」とする見解を示しました。
テレビ朝日が去年4月に放送した「朝まで生テレビ!」のなかで、田原総一朗さんは、拉致被害者の横田めぐみさんと有本恵子さんの名前をあげて「外務省も生きていないことはわかっている」などと発言しました。BPOの放送人権委員会は、拉致被害者の家族会から「重大な人権侵害に当たる」とする申し立てを受けて審理を進め、10日、結果を公表しました。それによりますと、発言は「拉致被害者の生死という重大な問題について根拠を示さずに『生きていない』と断定した点で、配慮を欠き、不適切である」としましたが、「言論の自由の範囲内にあり、人権侵害とは認められない」と判断しました。一方で、テレビ朝日が行った謝罪放送の方法などについては、「迅速性に欠け、謝罪の意思が的確に伝わるものでなく、放送倫理上の問題があった」とする見解を示しました。これについて、テレビ朝日は「決定内容をしんしに受け止め、今後も放送倫理に十分配慮をした放送に努めてまいります」とするコメントを出しました。BPOの決定を受けて、北朝鮮による拉致被害者の家族会は記者会見を開き、横田めぐみさんの父親の滋さんは「熱心に審議してくださったと感じました。これ以上、大きく騒ぎ立てるような問題ではないと感じました」と話しました。また、増元るみ子さんの弟の照明さんは「田原氏の発言は誤った認識の下で行われたと考えており、人の生死にかかわる発言である以上、BPOには、認識が誤っているかどうかにまで踏み込んで審議してほしかった」と話しました。(NHK)

http://www3.nhk.or.jp/news/k10013111861000.html#



拉致被害者家族ら「人権侵害でない」に不満
 拉致被害者の名を挙げ「生きていない」と述べた田原総一朗さんの発言をめぐる10日の放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会の決定。「不適切」と認めながらも「人権侵害に当たらない」とした結論に、被害者家族らは不満の声を上げた。
 北朝鮮による拉致被害者家族会などは東京都内で記者会見。飯塚繁雄代表(71)は、発言を「表現の自由の範囲内」と判断した委員会に対し「これから何を言ってもいいのか」と批判。北朝鮮に有利に働く可能性を指摘し「われわれが気持ちを一つにして闘うことへの弊害になる」と述べた。
 事務局長の増元照明さん(54)も「人命にかかわる問題について、公共の電波で根拠なく発言をすることに問題はないのか」と疑問を表明。前代表の横田滋さん(77)は「法的な人権侵害ではないかもしれないが、実質的な人権侵害ではないか」と話した。
 発言をめぐっては、被害者の有本恵子さんの両親が田原さんに慰謝料を求め神戸地裁で係争中。家族会などは今後も、テレビ朝日に対して番組司会者の変更も含めた対応を求めていくという。
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20100310-OHT1T00226.htm


田原さん発言、BPO「配慮欠き不適切」
 テレビ朝日の番組で、田原総一朗さんが横田めぐみさんらについて「外務省も生きていないことはわかっている」と発言したことについて、BPO=放送倫理・番組向上機構は、発言は「被害者家族への配慮を欠く不適切なものだった」との「見解」を示しました。

 この発言は去年4月、田原さんが横田めぐみさんと有本恵子さんについて「外務省も生きていないことはわかっている」と述べたもので、BPOは「被害者家族への配慮を欠く不適切な発言だった」と認定しました。

 テレビ朝日が番組内で謝罪をしたことについても、「迅速性に欠け、謝罪の意志が的確に伝わるものでなかった」として、放送倫理上問題があったとの「見解」を示しました。

 しかし、田原氏の発言が人権侵害にあたるかどうかについては、「不適切な発言を含んではいても、ジャーナリストとしての責任において問題提起をしたもので、言論の自由の範囲内にあり人権侵害とは認めない」と結論づけました。

 「熱心に審議をしてくださったということは感じました」(横田 滋さん)

 「(BPOは)田原氏が誤った認識のもとに発言をしたことを、『言論の自由の許容範囲』と認めてしまっている」(増元照明さん)(TBS)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4375758.html


「謝罪放送に放送倫理上の問題あり」番組発言でBPO
 去年4月にテレビ朝日系列で放送した「朝まで生テレビ」での出演者の発言について、BPO=放送倫理・番組向上機構の放送人権委員会は10日、「謝罪放送の実施方法などに放送倫理上の問題があった」とする見解を出しました。
 番組では、田原総一朗氏が、北朝鮮による拉致被害者について「生きていないことは外務省も分かっている」などと発言しました。これに対し、拉致被害者家族連絡会が「人の生死に関わる安易な発言は、最も重大な人権侵害だ」などとBPOに申し立てていました。委員会は10日の決定で、田原氏の発言について「言論の自由の範囲内であり、人権侵害とは認めない」としたものの、「根拠を示すことなく断定した点は、拉致被害者家族の心情を深く害する不適切な発言だ」としました。そのうえで、この発言に関するテレビ朝日の対応が迅速性に欠け、1カ月後の番組で行った謝罪放送についても謝罪の意思が的確に伝わるものではなかったとして、「放送倫理上の問題があった」と結論づけました。10日の決定に対し、テレビ朝日は「委員会の決定内容を真摯(しんし)に受け止め、今後も放送倫理に十分配慮をした放送に努めて参ります」というコメントを公表しました。
 一方、家族会の飯塚繁雄代表らは会見を開き、「発言の根拠を得られず、残念」「謝罪放送も不十分だ」などと話しました。
 家族会・飯塚繁雄代表:「放送後の謝罪の効果は10分の1にも満たない感じもするし、謝罪については届かなかったと私たちは思っている」(テレビ朝日)
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/index4.html?now=20100310215507


 News : 家族会の申立に関するBPO決定全文
        投稿者 trycomp 投稿日時 2010-3-10 18:19:14 (150 ヒット)
News

「拉致被害者家族からの訴え」事案で「見解」〜放送倫理上問題あり

2009年4月放送のテレビ朝日『朝まで生テレビ!』で、拉致問題に触れた番組司会者の発言について拉致被害者家族会から申立てのあった事案を審理していた放送人権委員会は 3月10日、テレビ朝日に対し、「発言には不適切な点があり、その対応に関して放送倫理上の問題があった」とする見解を通知した。

2009年4月24日深夜放送の上記番組内で、司会者でジャーナリストの田原総一朗氏は、拉致被害者の横田めぐみさんと有本恵子さんの名前を挙げ、「生きていないことは外務省も分っている」などと発言したうえで、日本の対北朝鮮外交のあり方について論評した。
申立人である「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」はこの発言について、「人の生死に関する安易な発言は名誉毀損やプライバシーの侵害以上に、最も重大な人権侵害である」として、テレビ朝日に対し、田原氏発言の放送での撤回や謝罪などを求め、放送人権委員会に申し立てた。
委員会は同年8月に審理入りを決定し、慎重に審理を重ねてきた。
公表された「委員会決定」は、田原氏が2人を「生きていない」と断定的に発言した点については、「救出に全力で取り組んでいる家族の心情に対しあまりに配慮に欠ける表現であった点において不適切であった」と判断した。
しかし、申立人が「拉致被害者の全員救出を目指す政府の方針に疑念を生じさせ、救出運動を妨害し、北朝鮮に誤ったメッセージを発信した」などとした点については、「論評によって受ける申立人の懸念や不安、怒りは理解できるものの、拉致問題についての言論が閉塞状況にあると認識した田原氏が、ジャーナリストとしての責任において拉致問題を見る視点について問題提起をし、その観点から政府の方針を批判したものであって言論の自由の範囲内であり、人権侵害とは認めない」という判断を示した。
田原氏の発言を放送したテレビ朝日の責任については、「生きていない」と断定した不適切な発言に対する対応のあり方に限られるとした。そのうえで、「局は二度にわたって謝罪しているから一応必要な措置を講じていると認められる。しかし、問題の深刻さを考えれば、謝罪に関してはより迅速かつ適切な方法をとるべきであった」として、局の対応に放送倫理上問題があったと結論付けた。


http://www.bpo.gr.jp/topics/2009/20100310.html


権利侵害申立てに関する委員会決定

「拉致被害者家族からの訴え」

放送倫理・番組向上機構〔BPO〕
放送と人権等権利に関する委員会(放送人権委員会)


2010(平成22)年3月10日
放送と人権等権利に関する委員会決定 第43号

権利侵害申立てに関する委員会決定

申 立 人  北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(代表 飯塚繁雄)
被申立人  株式会社テレビ朝日

苦情の対象となった番組 『朝まで生テレビ!』(毎月最終金曜日25時25分〜28時25分)
放送日時(1)2009年4月24日27時15分頃から約5分間
    (2)2009年5月29日25時29分頃から約2分間


本決定の概要

(決定の概要)
テレビ朝日(以下「局」または「被申立人」という)の制作によるニュース討論番組『朝まで生テレビ!』は、2009年4月24日深夜、「激論 日本の安全保障と外交」とのテーマで、北朝鮮ミサイル問題を入り口に日本の安全保障や外交について各界専門家による約3時間にわたる議論を放送した。
この中で司会者のジャーナリスト田原総一朗氏は拉致問題に触れ、横田めぐみさんと有本恵子さんの名前を挙げて「外務省も生きていないことは分かっている」と発言するとともに、拉致問題に関する言論が拉致被害者の生死に触れることをタブー視する閉塞状態に陥っていることを指摘し、そのような見方にとらわれた政府の方針を批判する趣旨の意見を展開した。
「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(以下、「家族会」という)は、田原氏のこのような発言は人の生死にかかわる安易な発言であって、家族の心情を傷つけ、名誉毀損やプライバシー侵害以上の最も重大な人権侵害であるとともに、政府の基本方針を批判し、誤まったメッセージを発したことによって救出運動を妨害し、ひいては拉致被害者の人命にもかかわる最も重大な人権侵害である等として、局に対し、田原氏の発言の撤回と謝罪、田原氏の司会者としての起用の見直しなどを求め、放送と人権等権利に関する委員会(以下「委員会」という)に救済を申し立てた。
委員会は、田原氏の発言について以下の通り判断した。


番組中で田原氏が、生死の確証のない2人の拉致被害者について、実体的根拠を示すことなく「生きていない」と断定的に述べたことは、家族にとって耐え難い苦痛である。田原氏の発言が家族の心情を深く害し、強い不快の念を抱かせたものであることは疑いがない。拉致被害者の救出に全力で取り組んでいる家族の心情に対しあまりに配慮に欠ける表現であった点において不適切であった。
しかし、田原氏の発言全体について見れば、拉致問題についての言論が閉塞状況にあり、そのことが拉致問題の解決を妨げているとの認識のもとに、そのような状況を打開するためあえて批判と苦言を呈したという発言意図に照らせば、その発言が家族の心情を深く害し、強い不快の念を抱かせたものであったとしても、論評全体としては、言論の自由の範囲内にあるものとして許容されるべきである。
異論が提起されることによって自らの立場が否定されたとの不快の念を抱く場合があったとしても、メディアの世界における自由な言論は保障されなければならない。
田原氏の発言に関する局の責任としては、名前を特定した2人の拉致被害者について、根拠を示すことなく「生きていない」と断定し、被害者家族の心情を無視した不適切な発言に対する対応のあり方の問題に限られる。
局は番組終了後、田原氏からの事情聴取や局としての独自の取材によって上記のような事実が確認できなかったことを認め、二度にわたって謝罪しているから一応必要な措置を講じていると認められる。しかし、問題の深刻さを考えれば謝罪に関してはより迅速かつ適切な方法をとるべきであった。この点において放送倫理上の問題があったと判断し、報道に対する信頼が確保されるよう一層の努力を求めることとした。


(決定の構成) 本委員会決定は以下の構成をとっている。
【1】.事案の内容と経緯
   (1).申立てに至る経緯
   (2).放送の概要
   (3).申立人の申立ての要旨
   (4).被申立人の答弁の要旨
【2】.委員会の判断
   (1).田原発言に対する評価
   (2).田原発言に対する局の対応と責任
【3】.結論
【4】.審理経過



【1】.事案の内容と経緯

1.申立てに至る経緯
(1) テレビ朝日は2009年4月24日深夜、ニュース討論番組『朝まで生テレビ!』において「激論 日本の安全保障と外交」を放送した。北朝鮮ミサイル問題を入り口に日本の安全保障や外交について各界専門家が3時間にわたり議論したが、この中で司会者のジャーナリスト田原総一朗氏は拉致問題に触れ、横田めぐみさんと有本恵子さんの名前を挙げて「外務省も生きていないことは分かっている」などと発言した。
この発言について、拉致被害者の家族で組織する家族会と、その支援団体である「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(以下、「救う会」という)は5月11日、テレビ朝日と田原氏に対し「何の根拠もないまま2人を生きていないと話した」などと抗議した。
(2) テレビ朝日は5月15日付で番組プロデューサー名の回答書面を送り、「番組として確認されていない内容が生放送されたことにより、拉致被害者の救出に全力で取り組んでおられるご家族ならびに関係者の方々に『拉致被害者がすでに亡くなっているように扱った』とのご不快の念を抱かせてしまったことにつきましては、本意ではないとはいえ番組責任者としてまことに申し訳なく存じております」としてお詫びした。
また、田原氏は5月21日付で文書を送付し、「これはまことに乱暴な言いかたでして、拉致被害者の救出に全力で取り組んでおられるご家族ならびに関係者の方々にご不快の念を抱かせ、お心を傷つけましたことを心からお詫び申し上げます」と謝罪するとともに、「日朝交渉が暗礁に乗り上げているのは、北朝鮮はもちろんですが、日本側も本格的な話し合いのテーブルにつこうとしない事に要因があるという問題提起のつもりで発言したのでした。外務省幹部から『8人の拉致被害者が生きていることを前提にした交渉には限界がある』ということを聞かされたのです。こうした意味の言葉を何通りも聞かされていて、私は、『朝まで生テレビ!』で発言したように判断したわけです。」、「そして情報源をお教えできないことを幾重にもお詫び申し上げなければなりません。情報源を明かさないことを“根拠なし”と判断されることに不満はありません」と釈明した。
しかし、家族会と救う会は5月22日、「“乱暴”などという表現では済まされない人命軽視の暴言であり、重大な人権侵害である」とする共同声明を出し、BPOへの提訴も検討すると表明した。
(3) 5月29日深夜、田原氏は『朝まで生テレビ!』の冒頭で、「これはきちんと説明をしない言い方で本当に申し訳ありませんでした。実は、外務官僚への取材で『8人の拉致被害者を全員返すということを前提にした交渉には限界がある』ということを聞きまして、それがこういう言い方をしたもので、誤解を招いたかもしれません。拉致被害者の救出に全力で取り組んでおられるご家族ならびに関係者の方々にご不快の念を抱かせ、お心を傷つけましたことを心からお詫び申し上げます」と改めて謝罪と釈明を行った。
これに引き続いてテレビ朝日も、「テレビ朝日としても、拉致被害者の方々が亡くなっているというような事実は全く確認をしておりません。救出に全力で取り組んでいるご家族ならびに関係者の皆様に、ご不快の念を抱かせましたことを心よりお詫び申し上げます」とお詫びした
しかし、家族会と救う会は6月2日、「番組でなされたのは謝罪でも発言の取り消しでもない」として再び抗議声明を出し、8日後の6月10日、委員会に申立書を提出した。申立書提出後、当事者間で話し合いの場が持たれたが事態に進展はなく、申立人らは改めて審理の開始を要請した。
(4) このため委員会は局側から交渉の経緯と見解について提出を求めた上、8月4日の第151回委員会で審理入りするかどうかについて検討した。その結果、本件を家族会からの申立て事案として審理入りすることを決定した。支援団体である救う会については、委員会運営規則第5条(6)「苦情を申し立てることができる者は、その放送により権利の侵害を受けた個人またはその直接の利害関係人を原則とする」等の規定に照らし、直接の利害関係人とは見なされないとした。
また、田原氏の発言をめぐっては、7月16日に家族会の一員である有本恵子さんの両親が田原氏自身を相手取り神戸地方裁判所に慰謝料請求訴訟を起こしたが、委員会は、本件申立てはテレビ朝日を相手とするものであり、「裁判で係争中の事案は取り扱わない」と定めた委員会運営規則第5条(5)のケースには該当せず、審理入りの妨げにはならないと判断した。


2.放送の概要
(1) 4月24日深夜の放送
番組の開始から約2時間近く経過した27時15分頃、田原氏は米朝交渉の経緯を記したフリップを取り出しながら、「これを言うのはよそうと思っていたんだけれど、あえて言いますとね」と前置きし、以下のように続けた。

田原 さっき言いました、ブッシュ大統領が「テロ支援国家」を解除したと。私はこのときに外務省のナンバー2だかナンバー3に「これは、日本は拉致問題があるのにこんなテロ支援国家の指定を解除するというのは日本に対する裏切りじゃないか」と言った。そうしたら、名前言うと悪いから名前は言わないけれど、「実はそうじゃない」と。「アメリカは日本に呆れ返ったんだ」と。「呆れ返ったとは何だ」と聞いたら、2007年の1月に、ベルリンでヒルとキム・ケガンが会って、ここからアメリカは圧力から対話に変わったんですよ。アモイの銀行の話もあるし−。

A氏 マカオ。

田原 マカオ、マカオ。ごめんなさい。それで、こういうことやったと。それで「呆れ返ったとは何だ」と言うと、要するに「ベルリンの2007年の1月のこの対話から日本に対して1年間、時間をくれた。『拉致問題をきちんと交渉しろ』と。ところが、日本はついに交渉ができなかった。だからアメリカは呆れてテロ支援国家解除したんだ」とこう言っているわけです。

B氏 それ、何でできなかった?

C氏 それはね−

田原 何でできなかったかハッキリしてる。つまり、まともに交渉するということはね、日本は、山本さんなんか典型だけれども、横田めぐみさんと有本恵子さんは生きている前提でやっているわけ。ところが、北朝鮮は繰り返し生きていないと言っているわけ。それで外務省も生きていないことは分っているわけ。ところがね、生きていないという交渉をやると山本さんたちからこてんぱんにやられる。田中均が、ね、爆発物を投げ込まれたじゃない。僕は、福田さんにも言ったんだよ。「あなた、命がけでやれ」と言ったら−。

A氏 福田さんはやろうとした?

田原 やんなかった。

番組はこの後、小泉訪朝の評価をめぐる議論に続き、横田めぐみさんのものとして
返還された遺骨の鑑定をめぐる経緯について田原氏が語り、CMに移る。田原氏発言
の冒頭からCMが流れるまでの間は約5分間。

(2) 5月29日深夜の放送
25時20分にスタートし出演者の紹介などがあった後、25時29分頃、渡辺アナウンサーら二人が映し出される。渡辺アナウンサーが「こんばんは。討論に入ります前に、先月24日の『朝まで生テレビ!』での拉致問題に関します田原さんの発言につきまして田原さんから説明があります。お願いします」と切り出した。

田原 渡辺さん先にやるんじゃないの?

渡辺 田原さんどうぞ。

田原 あぁそうですか、はい。田原総一朗です。前回の放送で私が、拉致被害者の方々について「外務省も生きていないことは分っている」という旨の発言を致しました。いっぱいクレームをいただきました。これはきちんと説明しない言い方で本当に申し訳ありませんでした。実は、外務官僚への取材で「8人の被害者を全員返すということを前提にした交渉には限界がある」ということを聞きまして、それがこういう言い方をしたもので誤解を招いたかもしれません。拉致被害者の救出に全力で取り組んでおられるご家族、ならびに関係者の方々にご不快な念を抱かせ、お心を傷つけたことを心からお詫び申し上げます。
渡辺さんどうぞ。

渡辺 テレビ朝日としてもですね、拉致被害者の方々が亡くなっているというような事実は全く確認しておりません。

田原 僕が言ったんだよ。テレビ朝日じゃなく僕が言った。

渡辺 はい。救出に全力で取り組んでいるご家族ならびに関係者の皆様にですね、ご不快の念を抱かせましたことを深く心よりお詫び申し上げます。そして、視聴者の方々の誤解を招きましたことにつきましても心よりお詫び申し上げます。大変申し訳ありませんでした。

田原 繰り返し言います。外務官僚への取材で「8人の拉致被害者全員を返すことを前提にした交渉は限界がある」ということを聞いてね、それをきちんと説明をしなかったことは大変申し訳ないと思っています。

3.申立人の申立ての要旨
(1)人権侵害
ア  田原氏は、日本政府ですら確認ができない拉致被害者の生死に関する情報について、公共の電波で何の根拠もなく「生きていない」と発言した。この発言は、公共の電波を利用し、視聴者に大きな誤解を与え、国民に「死亡の証拠がない以上生存を前提として北朝鮮と交渉をする」という政府の基本方針に疑念を生じさせ、北朝鮮に対し、「拉致被害者を返さなくてもいい」という間違ったメッセージを発信した。
イ  生存を信じて救出運動に取り組んでいる横田・有本夫妻をはじめとする被害者家族の心を傷つけ、関係者を憤慨させた。視聴者にも大きな誤解を与えた。また、家族会などが過激な行動で異論を封じ、外務省の交渉をやりにくくしているかの発言を行い、国民の間に誤解を広げるとともに救出運動を妨害した。
ウ  人の生死に関わる安易な発言は名誉毀損やプライバシーの侵害以上に、最も重大な人権侵害である。

(2)放送倫理の問題
ア  田原氏は、「外務省も生きていないことは分かっている」「生きていない交渉(死亡を前提とした交渉)が行えないのは、生存を信じる人々が異論を封じているためである」という趣旨の発言を行い、視聴者に著しい誤解を与えた。
イ 局は、拉致被害者の生死に関する問題について「番組として確認できていない内容が生放送された」と認識している。田原氏は、外務省幹部からの伝聞情報なるものについて、文書と放送において内容の異なる2つの説明を行ったうえ、謝罪も発言の取り消しも行っていない。
ウ 今後も田原氏が司会をするのであれば、様々な課題について公正な議論ができず、再び重大な人権侵害が引き起こされる懸念がある。

(3) 局への要求
①「生きていない」という発言の、放送での撤回と謝罪。田原氏と番組責任者への問責
②「生きていない」と発言した具体的な根拠を、放送を通じて示すこと
③家族会等について誤解を与えた発言の、放送での撤回と謝罪。田原氏と番組責任者への問責
④外務省幹部から聞いたとする2つの異なる発言について田原氏に事実確認すること
⑤田原氏を司会者として使い続けることの見直し
⑥外務省幹部は取材と発言内容を否定しているため、田原氏にいつ聞いたか確認すること


4.被申立人の答弁の要旨
(1) 人権侵害について
被申立人としては、人権侵害かどうか以前の問題として、人の生死に関し社として確認できていない内容が生放送されたことにより、拉致被害者のご家族や関係者にご不快の念を抱かせ、視聴者の誤解を招いたことをまことに申し訳なく存じている。そのため、翌回の5月29日深夜に当社および田原氏の「お詫び」を放送した。

(2) 放送倫理の問題について
田原氏からは、発言内容、取材概要と経緯について複数回にわたり聞き取りを行った。しかし被申立人としては発言を根拠あるものとして認識するに至らなかった。田原氏は「家族会の方々などに不快な思いを抱かせ大変申し訳なく思っている。しかし取材した内容は事実だ」としている。田原氏には、独自取材に基づく発言の際は内容にくれぐれも慎重を期してほしい旨、強く申し入れた。

(3) 局への要求について
被申立人としては拉致被害者が生きていないという事実は確認していないし、その立場にも立たないことを表明してきた。また、放送での謝罪については5月29日の当該番組内でお詫びした。さらに、田原氏にも発言の真意を説明するよう求め、その場を提供した。現段階で被申立人にできることはこの3点に留まると受け止めている。


【2】.委員会の判断

委員会は本件放送の録画を視聴したうえで、申立人、被申立人から提出された申立書、答弁書、反論書、再答弁書、関連資料等を検討し、さらに両者へのヒアリングを経て、以下の判断に至った。
なお、申立人が番組責任者への問責や番組司会者の降板などを求める点については、放送局の人事に関わる事項であり、放送局の自律に属することであって、委員会はもとより外部から介入するべきことではないので判断は示さないこととする。

1.田原発言に対する評価
本件は、田原氏の発言は局としての発言ではないので、出演者の発言について局がどこまで責任を負うべきかが問題になるケースである。このことについては、「2.田原発言に対する局の対応と責任」において詳細に検討するが、まず、本件放送を行った局の責任を検討する前提として、田原氏の発言にどのような問題があったかについて判断する。

(1) 申立ての趣旨について
本件申立ては、人権侵害に関しては、前記鵯.3.(1)に要約されているが、その内容としては次の2つの申立てが複合したものと理解する。

ア 「外務省も生きていないことは分かっている」と、横田めぐみさんと有本恵子さんの二人の名前をあげて、根拠を示すことなく生きていないと断定した発言は、生存を信じ、救出に望みをつないで懸命に運動している申立人家族会、特に名指しをされた横田めぐみさん、有本恵子さんの家族の心情を直接的に傷つけたことによって、名誉、プライバシーの侵害以上に最も重大な人権侵害であるとの申立て(以下「第1の申立て」という)

イ 「上記発言を含む本件論評全体」が、上記アの問題があることはもちろんであるが、政治的発言としての側面において、拉致被害者の生死が何ら確認されていない以上、全員生存を前提とし、北朝鮮当局に全員の返還を求めていくという確定した政府の基本方針に疑念を生じさせ、申立人を含む運動組織による運動を妨害し、国民世論を誤導し、ひいては北朝鮮に、「全員返さなくてもよい」と受け取られかねない誤ったメッセージを発したもので、このような人の生死にかかわる安易な発言は、名誉やプライバシーの侵害以上に最も重大な人権侵害であるとの申立て(以下「第2の申立て」という)

(2)委員会の判断
ア 上記第1の申立てについて
「外務省も生きていないことは分かっている」との発言自体については、申立人も、それが直接に名誉侵害、プライバシー侵害に該当する問題とするのではなく、それよりも重大な人権侵害であると主張しているものと理解する。委員会としても、安否が確認されていない拉致被害者についての本件のような発言によって、家族が精神的苦痛を受けたことは十分に理解できる。しかし、根拠を示すことなく「生きていない」と断定した発言によって精神的な苦痛を与えられたとき、それが法的な評価としていかなる権利が侵害されたと言えるのか、またその程度をどう評価するかについては、これまで司法の場においても評価が定まっていない。委員会は、その役割からいって法的に精緻な議論を行う場ではないから、こうした問題について確定した判断をすることは必ずしも適切ではないと考える。
しかし以下に述べる通り、本件発言は、名前を特定して根拠を示すことなく拉致被害者が「生きていない」と断定したという一点において、少なくとも、肉親である拉致被害者家族など関係者の心情を深く害する不適切な発言であったと言わざるをえない。
まず、外務省の高官というのみで、情報源は明らかにできないとしても、その情報源からの取材結果を含め、田原氏が独自取材によって得た情報を総合した結果として「生きていない」と断定的に発言したというのであれば、その実体的な根拠を示すのが相当である。示せない、あるいは示さないというのであればそのような断定的な表現はすべきではなかった。
次に、放送後の田原氏の説明の内容であるが、外務省高官から得たという情報についても、5月29日の番組冒頭での釈明では、「8人の拉致被害者全員を返すことを前提にした交渉には限界がある」ということだったと説明したが、それに先立つ5月21日付文書による釈明では「8人の拉致被害者が生きていることを前提にした交渉には限界がある」という内容であったと述べている。この二つの釈明には食い違いがある。しかも、本件番組中での発言は、特定の二人について「外務省も生きていないことは分かっている」と述べているのであるから、上記のいずれの釈明よりも「二人が亡くなっている」点を強調する言い方になっている。結果として田原氏は、本来家族の心情を慮って発言するべきであるのに、実際には逆に、家族の心情をより害する表現を採用している。
本来慎重に行われるべきであった説明において、田原氏が取材結果についてこのように食い違った釈明をしていること、またそのいずれもが放送中に行われた本件発言の根拠を示していないことから、被害者家族らが受けた精神的苦痛を和らげるものとはなっていないし、不信感をより増幅させる結果になっている。

イ上記第2の申立てについて
申立人は、田原氏の発言全体が、拉致被害者の無事救出を目指す政府の基本方針に疑念を生じさせるものであり、国民世論を誤導するような見解を公共の電波を使って公にしたものであって許せないとする。
これに対し田原氏は、異論をタブー視する言論状況を危険なものと認識し、あえて問題提起をしたと答えている。
本件審理の過程において提出された田原氏の見解によると「発言の真意は、拉致被害者の方々が亡くなっている可能性について正面から発言することをタブー視する空気が強い状況のなか、私の取材と様々な事実を踏まえた中で、『日本の政府や外務省がなぜ本気の交渉をしないのか、世論が怖いから本格的交渉ができなかったというのでは、拉致被害者の家族の方々に対しても、国民に対しても無責任きわまりない。もっと本気の交渉をやるべきだ』という点にあった」というのである。そして、「拉致被害者の方々が亡くなっている可能性について正面から発言することをタブー視する強い状況がある」と認識した田原氏が、「タブー視されている言論を真剣な思いで行っている」というのである。
委員会は、田原氏のこの説明によっても「外務省も生きていないことは分かっている」とする本件発言を正当化できるとは考えない。
しかし、一般論からいえば、政治的な問題について、報道機関として自由闊達な議論と多様な観点からの論評を展開することは、むしろ報道機関としての中心的な使命というべきであり、政府の基本方針を批判することも、政治を真に国民の立場から検証していく上で、報道機関に課せられた重要な使命である。言論によってあるべき政策を形成し、是正することは民主主義社会が備えるべき属性であり、報道機関の存在意義であるといってよい。
そのありようはまた多様であってよく、討論番組についていえば、十分に事前準備をした討論もあれば、意見を異にする出演者による自由闊達な議論もある。またバラエティ番組として構成される場合もあるであろう。言論の自由は原則として制約されるべきではないことを明確にしておきたい。
以下、本件に即して具体的に述べる。
本件放送における田原氏の発言は、拉致被害者の生死についての事実認識と、拉致問題に関する政治・外交方針、言論のあり方に関する状況認識をもとにジャーナリストとしての見解を表明し、同時に司会者として出演者である各界の論客に議論を求めたものと理解される。
上記の事実認識についての発言部分については、その発言の仕方において不適切であったとすでに評価したところである。
他方、拉致問題に関する言論状況が田原氏の言うように、政府方針に反するような言論が事実上許されないような閉塞状況にあるかどうかにかかわらず、問題は、言論人としてそのような危機意識を感じ、自ら正しいと考える言論を行うことを制約して良いのかということである。委員会はそのような考え方には同意できない。
たしかに、この意見、論評が先に述べた「外務省も生きていないことは分かっている」という、人の生死に関する不適切な表現と無関係に行われたものではないことは考慮されるべきである。
しかし、不適切な発言を含むものではあっても、この論評は、取材を重ねてきた一ジャーナリストが、拉致問題に関する言論界において、政府の方針に対して異論が言えないような状況があると考え、あえて外交交渉のあり方に別の選択肢がありうるとの見解を表明したものと受け止められる。いかに深刻な問題であっても言論は悪意に基づくとか、著しく品位に欠けるとか、それが言論の名に値しないといった特段の事情が認められない限り自由であるべきである。それが公共の電波で行われたからということで事情を異にするものではない。
異論が提起されたことによって自らの立場が否定されたとの不快の念が持たれる場合があったとしても、メディアの世界における自由な言論は保障されなければならない。
また申立人は、田原氏が「家族会が異論を封じている」かのような発言をしていると主張する。確かに田原氏は、田中均氏が自宅に爆発物を仕掛けられたり、当日の出演者である拉致議連メンバーの山本一太議員らからこてんぱんにやられると発言し、異論が言えない空気があることを指摘している。しかし、これらの発言は家族会を名指ししたものではないから、被害当事者である家族会を同列に扱っているとは受け取れず、申立人の主張する「家族会が異論を封じている」という趣旨の発言とは見なせない。
さらに、委員会は、本件番組の出演者の構成について公平さを欠いていたかについても検討したが、この点において番組制作の上で特段の問題があったとも言えない。
以上の理由により、本件申立てのうち、第2の申立てについては、委員会としては田原氏が、ジャーナリストとしての責任において、拉致問題を見る視点について問題提起をし、その観点から政府の方針を批判したものであって、言論の自由の範囲内にあり、人権侵害とは認めない。


2.田原発言に対する局の対応と責任
(1)不適切な発言を防止する義務について
委員会は上記のとおり第1の申立てにおける田原氏の発言は申立人の心情を深く傷つけたとして不適切と判断し、またその謝罪と説明も申立人が納得しがたい内容であったとの見解を取った。第2の申立てについては、田原氏の発言について非難すべき理由がないので局の責任は問題とならない。
以下、第1の申立てについての局の責任の有無、程度について検討する。
本件では番組出演者の発言と局の責任の関係が問題となる。
局が番組の編成権、編集権をもって放送している以上、放送の主体はあくまで局である。したがって出演者の発言についても局は責任を持たなければならない。その点は生放送番組であっても同様である。
一般的には、番組で不適切な発言がなされないよう、日常的に、さらには放送前に十分な打ち合わせや準備を行い、局として不測の事態に備える必要があろう。ヒアリングにおいて局は「そのような努力をしていた」と述べている。
ところで、本件第1の申立てにおける田原氏の、二人の拉致被害者の生死に関する発言については、発言自体の冒頭において、田原氏が「これを言うのはよそうと思ったのだが」と述べたことからも、田原氏の独自の取材に基づく発言であると見られ、局としては全く予測できなかった発言であったと思われる。少なくとも本件では、このような突発的発言を予測して事前に何らかの準備をすべきであり、またそれが可能であったとは考えられない。
そうすると、局は田原氏の発言について責任を負うべき立場にあるものの、その責任は番組編成権者、編集者としての結果責任にとどまるというべきである。

(2)番組中での対応について
そこで局としては、結果として生放送番組で不適切な発言がなされた場合には、可能な限り当該番組中での適切な対応ができる態勢を作っておかなければならなかったのではないかということが問題になる。
局が責任を負うべき番組中で、出演者が不適切な発言をしたのであるから、局は原則として当該番組中においてこれに対してしかるべき対応をとらなければならない。
局に対するヒアリングによれば、番組放送時、サブ(副調整室)にいたプロデューサーは、田原氏の発言について問題を感じていたとのことである。そうであれば通常ならスタッフの間で何らかの対応措置を取ることについてコミュニケーションが行われ、事実確認のうえ必要が認められれば、適切な訂正、謝罪が行われるべきであろう。しかし本件では、「田原氏の独自取材に基づく突然の発言であり、その信憑性や根拠について現場では直ちには黒白の判断がつきかねた」という局側の説明からも伺えるように、田原氏の発言が根拠を有するものであるかのように受け止められた可能性があり、放送終了までの間に事実確認のうえ適切な訂正、謝罪等の措置を取ることまでは困難であったとする局の説明は理解できなくはない。
ただ、番組終了までの間に田原氏に対し、発言の真意についての事実確認作業さえ全く行なわれていないことからすれば、局関係者の間において問題の重大性に関する認識を欠いていたと言わざるを得ない。

(3)放送後の対応措置について
局は前記2.(2)に記したとおり、放送中にすでに問題を感じていたとのことである。にもかかわらず実際の行動としては、放送後、発言内容について反訳を起こし、1週間後の4月30日にその反訳をもとに田原氏から1回目の聞き取りを行ったと述べている。しかし、局がことの重大性に気づいていたのであるならば、局には同録ビデオが存在するのだから、反訳の出来上がりを待つまでもなく発言に至る流れや発言自体の確認ができるはずである。4月30日まで具体的な対応をしていないことには合理的な理由が考えられない。プロデューサーらが番組中の田原氏の発言を聴いてその不適切さに気づいた時点で、直ちに対応すべき課題と認識していたとすれば、田原氏に対する裏付け事実の確認や、番組としての具体的な対応策の検討などに着手することができたはずである。
局は5月15日付プロデューサー名義書面において「番組として確認できていない内容が放送されたことにより…『拉致被害者がすでに亡くなっているように扱った』とのご不快の念を抱かせてしまったことにつきましては、本意ではないとはいえ番組責任者として誠に申し訳なく存じております」として謝罪の意思を示している。家族会などからの抗議文は5月11日付であり、その抗議文を受けて4日後には謝罪の回答書面を送付したことになる。
しかし、田原氏への事情聴取が行われた4月30日から2週間、4月24日の放送日からは3週間を経過しての対応であった。これが局からの当事者に対する最初の具体的行動であり、結果的にはその時まで当事者に対し何らの対応を取ることがなかった。そのスピード感覚の欠如には、やはり疑問を感じざるを得ない。局関係者の間に事の深刻さや重大性に関する認識が欠けており、それゆえに迅速・的確な対応を取れなかったのではないかとの疑いを持たれてもやむを得ないところである。

(4) プロデューサー名義の回答と謝罪放送について
局の5月15日付プロデューサー名義の書面及び5月29日の番組冒頭での局としてのお詫びでは、いずれも、田原氏の発言内容を局として事実確認できていないとし、そのような内容が放送されたことについて詫びている。
このうち、5月15日付プロデューサー名義の書面は、「本意ではないとはいえ」などとしている点において、拉致被害者家族からすると「言い訳」のように感じられる文言があるが、局としては自ら発言した訳ではないから謝罪の内容として不十分とまでは言えない。
しかし、5月29日の番組冒頭での謝罪の行い方について以下のような問題を指摘できる。
まず、局および田原氏自身が拉致被害者家族らの心を傷つけたとして謝罪しているが、拉致被害者家族に対して謝罪の意思が的確に伝わるような謝罪放送の実施方法であったかについては疑問を感じざるを得ない。
謝罪放送をするべき重大な問題であるとの認識があるのであれば、事前に謝罪放送の実施方法や内容について局と田原氏は十分な打ち合わせをしておくはずである。ところが、5月29日の番組冒頭での謝罪では、まず渡辺アナウンサーが「田原さんから説明があります。お願いします」と述べると、田原氏は、「渡辺さん先にやるんじゃないの?」と述べた。謝罪の意思を的確に伝えるというのであればそのような混乱が生じるとは思われない。
さらに、田原氏の謝罪に続いて渡辺アナウンサーが「テレビ朝日としてもですね、拉致被害者の方々が亡くなっているというような事実は全く確認しておりません」と述べると、田原氏は突然割って入り、「僕が言ったんだよ。テレビ朝日じゃなくて僕が言ったんです」と述べている。
事柄の性格上、アドリブ的なパフォーマンスは不必要だし、不適切でもある。
田原氏としては、この発言は、自らの独自取材に基づき、自らの責任において行ったものである以上、局に第1次的な責任はないといいたかったものと推測されるが、そうであれば、事前にそのような打合せが行われていてしかるべきであろう。このようなやりとりは、謝罪放送をするまでに十分な時間があり、局と田原氏との間でどのような趣旨でどのような内容の謝罪放送をするべきか十分打ち合わせが可能であったのに、そのような事前の準備を怠っていたことを伺わせる。そしてそれにより、局および田原氏の謝罪が真摯なものであったのかについて疑問を感じさせる結果となっている。実際、拉致被害者家族はこの謝罪放送を謝罪として受け入れられないとしている。
謝罪放送はその内容および対応の如何によっては良心の自由にも関わる重大な問題を含むもので、他者からこれを命じることは容易に認められない。しかし、本件では、局および田原氏は謝罪すべき事態であると認めたのである。そうであれば、自ら必要と認めた謝罪の意思が的確に伝わるような方法を採用すべきであった。
本件放送後の対応に関する上記の経過を見るとき、問題の重大性に鑑みれば、局の対応が迅速性に欠け、謝罪放送の実施方法に関しても謝罪の意思が的確に伝わるものでなかった点において不適切な部分があり、放送倫理上問題があったと言わざるを得ない。


(5) 謝罪、発言の撤回等に関する局の責任について
申立人は、局が、田原氏に対しさらなる謝罪、発言の撤回もしくは発言の根拠の開示を求め、その結果を放送することなどを求めているので、これについての判断を示
すこととする。
まず、謝罪についてであるが、局と田原氏の協議を経たうえでの田原氏の自発的意思による謝罪は上記のとおり5月29日の謝罪放送で行われたところである。その実施方法について問題があったことは上記のとおりである。しかし、さらなる謝罪を行なうかどうかは田原氏の判断に委ねられるべきことであり、委員会としてはこれ以上のことを局に要求することはできない。
次に、申立人は「発言を撤回させよ」「撤回しないのであれば発言の根拠を明示させよ」と、局に要求している。委員会は、本件における田原氏の発言が不適切であると判断したところであり、このような要求をする申立人の気持は十分に理解できる。
しかし、局の対応は時間的に遅れたとしても、田原氏に対して数次にわたって事情聴取を行い、また局の取材網を動員して事実の確認にあたり、その結果、「拉致被害者が生きていないという事実は確認できなかった」として、局としてその結論を番組中で公表し謝罪している。
本件番組の司会者であると同時に独立したジャーナリストでもある田原氏との関係において、局がなしうることとしてはこれが限界であると判断せざるをえない。
申立人としては、局が田原氏の発言を撤回させないのであれば、委員会において、田原氏を降板させるべきであるなどの見解表明もしくは勧告を行うことを求めているものと理解するが、そのようなことが委員会に課せられた任務の範囲外であることはすでに述べたとおりである。(次頁に続く)


【3】.結論
以上のような検討を経て、委員会は、第1の申立てに係る田原氏の「外務省も生きていないことは分かっている」との発言が、拉致被害者の生死という重大な問題について根拠を示すことなく「生きていない」と断定した点において、被害者家族に対する配慮を欠き不適切であると認定した。
第2の申立てについては、このような論評によって受ける申立人の懸念、不安、さらに怒りについて理解はできるものの、田原氏の発言は言論の自由の範囲内にあり、人権侵害とは認められないと判断した。したがって被申立人には責任はない。
第1の申立てに係る田原氏の発言についての、放送前、番組中、放送後の局の対応については、鵺.2 において検討したとおり、事柄の重大性、申立人の心情が著しく傷つけられたということからみた場合、迅速性に欠ける点と謝罪放送の実施方法に不適切な部分があった点において批判を受けてもやむを得ないものであり、放送倫理上の問題があったと判断した。
被申立人に対しては、この決定の主旨を放送するとともに、このような不測の発言で当事者の心情を害することがないように配慮すべきはもちろんであるが、いったん突発的な事態が起こったときには、速やかに適切な処置を取り、当事者に対する説明責任を果たし、謝罪が必要な場合にはその意思が的確に伝わるような対応をし、報道に対する信頼が確保されるよう一層の努力を求めるものである。
なお、さらなる謝罪放送等を求めていることについてはその必要を認めない。


本決定には以下の補足意見がある。

本件申立ては、申立人家族連絡会の被申立人放送局に対するものである。結論としては、本決定と同意見ではあるが、なお、田原氏との関係においては、田原氏に名指しで指名された家族の固有の、名誉その他の権利利益の侵害を認める余地があると考える。
これが認められるとすると、田原氏において、取材源を秘匿しつつ、その発言の真実性、相当性の立証、公正な論評の法理の適用または社会的相当性の存否が検討されることになると解される。
しかし、これらのことは、申立人家族連絡会における本件申立ての趣旨を超えるものであるので、補足意見としてとどめておきたい。 (三宅弘委員)



放送倫理・番組向上機構[BPO]
放送と人権等権利に関する委員会(放送人権委員会)
委員長 堀野 紀
委員長代行 樺山紘一
委員長代行 三宅 弘
委 員 大石芳野
委 員 小山 剛
委 員 坂井 眞
委 員 武田 徹
委 員 田中里沙
委 員 山田健太


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 News : 田原氏発言、配慮欠き不適切=さらなる謝罪放送は求めず−BPO
        投稿者 trycomp 投稿日時 2010-3-10 18:17:41 (56 ヒット)
News
 北朝鮮による拉致被害者について、ジャーナリストの田原総一朗さんがテレビ朝日の番組で「生きていない」などと発言した問題を審議していた放送倫理・番組向上機構(BPO)放送人権委員会(堀野紀委員長)は10日、放送倫理上の問題があったとする見解をまとめた。「拉致被害者の生死という重大な問題について根拠を示すことなく『生きていない』と断定したのは、被害者家族に対する配慮を欠き不適切」などとしている。
 田原さんは昨年4月25日未明に放送された「朝まで生テレビ!」の中で、拉致被害者の横田めぐみさんと有本恵子さんについて「外務省も生きていないことは分かっている」などと話した。
 拉致被害者家族会などが「視聴者に誤解を与えかねない」として同局に抗議。局側と田原さんは文書で謝罪した上、田原さんと担当アナウンサーが5月30日未明の同番組で謝罪した。しかし、2人のやりとりで打ち合わせ不足を露呈。家族会が反発し、同委に人権侵害を申し立てていた。同委は、この放送についても不適切と認定したが、さらなる謝罪放送の必要性までは認めなかった。(2010/03/10-17:39)

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010031000709
 News : 「闘う弊害になると感じる」 BPO審査に家族会・飯塚代表
        投稿者 trycomp 投稿日時 2010-3-10 17:42:37 (83 ヒット)
 ジャーナリスト、田原総一朗氏が横田めぐみさんら北朝鮮による拉致被害者を「生きていない」と述べた討論番組での発言について、「不適切だが、重大な人権侵害に必ずしも当てまらない」と結論づけた放送倫理・番組番組向上機構(BPO)放送人権委員会の審査結果を受け、めぐみさんの父、滋さん(77)ら拉致被害者の家族会のメンバーらが10日午後、記者会見を開いた。
 飯塚繁雄・家族会代表は「結局、言論の自由の問題の中に埋め込まれてしまっている。気持ちをひとつにして闘う弊害になると感じる」と語った。
 BPOの判断について、滋さんは「特別効果があるか分からない。大きく騒ぎ立てる問題ではないじゃないかと感じた。今後の家族会の運動に変わりはない」と話した。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100310/crm1003101632017-n1.htm


田原総一朗氏の発言は「不適切」 拉致被害者めぐりBPO
 ジャーナリストの田原総一朗さんがテレビ朝日の番組で、拉致被害者の実名を挙げ「生きていない」と発言した問題で、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会(堀野紀委員長)は10日、「配慮を欠き不適切」と指摘、発言をめぐる局の対応も迅速性に欠けるなど放送倫理上の問題があったとする見解を発表した。
 田原さんは、昨年4月25日未明の「朝まで生テレビ!」で、横田めぐみさんと有本恵子さんについて「外務省も生きていないことは分かっている」と発言。拉致被害者家族会が「重大な人権侵害」と抗議し、同委員会に申し立てていた。
 委員会は、発言を「根拠を示すことなく断定した」と批判。5月30日の同番組で、田原さんとテレ朝が行った謝罪も「意思が明確に伝わらなかった」とした。一方で「発言は言論の自由の範囲内で、人権侵害とは認められない」と判断した。
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010031001000644.html

 資料 : 原口総務大臣会見より(3月9日)
        投稿者 trycomp 投稿日時 2010-3-10 15:39:17 (92 ヒット)
資料
平成22年3月9日

国際放送に対する要請

質問:明日の電監審でNHKの国際放送に対する要請を諮問される予定だと思いますが、前政権ではラジオ国際放送について北朝鮮への拉致問題について配慮するよう求めましたが、今回の方針をお聞かせください。

答え(原口大臣):これは正に電監審で言う話でして、今その前に外に申し上げられるものではないというふうに認識しています。政務三役の中で今お話の北朝鮮の拉致問題に対する様々な情報発信、これの在り方について今議論しているところでございます。今日の政務三役会議で、今おっしゃったところは議題に、私の方からも提案をいたします。その上で、これは一般論ですけれども、渡辺副大臣ともお話をしましたけれども、私は拉致議連の副会長でもございまして、そういう意味からすると、広く拉致の情報、それからこれは人権の問題ですから、国家主権を侵害され、人権を侵害されているという問題ですから、どのような総務省として対応できるかと、それを今日政務三役会議で議論すると、こういう予定でございます。
 News : 帰国交渉求める書簡伝達へ 鳩山政権によど号犯
        投稿者 trycomp 投稿日時 2010-3-9 21:56:07 (111 ヒット)
News
【北京共同】日航機「よど号」を乗っ取り、北朝鮮に在住している元赤軍派メンバーの代理人、山中幸男・救援連絡センター事務局長は9日、メンバーが鳩山由紀夫政権に対し、帰国交渉に応じるよう求める書簡を4月にも伝達する準備を進めていることを明らかにした。4日間の訪朝を終え帰国する際、経由地の北京で共同通信などに話した。

 山中事務局長によると、よど号事件の容疑者4人は、帰国して裁判を受け、事件について決着を図るという立場に変わりはない。しかし、魚本(旧姓安部)公博容疑者(61)と現在も北朝鮮に残るメンバーの妻2人が日本人拉致に関連して国際手配されていることについては「無関係」と帰国に先立つ撤回を要求、調査には応じるとしている。

 書簡にはこうした帰国の意向と手配撤回の主張が盛り込まれる見通し。

http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010030901000844.html


有田芳生さんのtwitterによると一水会の鈴木邦男氏とジャーナリストの青木理氏が訪朝していたとのことなので、恐らくこの山中幸男氏と一緒だったのだろう。

日本政府のやるべきことは、日本にいるよど号犯やその妻、支援者と言われる関係者の捜査。少なくとも有本恵子さん拉致を証言している八尾恵氏や妻達の国会喚問。
 資料 : 中井大臣会見まとめ(2002年3月5日)
        投稿者 trycomp 投稿日時 2010-3-9 11:11:18 (112 ヒット)
平成22年3月5日(金)

大臣 あと、各社からお問い合わせがあります金賢姫さんについて、某民放テレビが報じられたことは、私は全く関知していません。金賢姫さんをお招きしたいということで準備を始めたことは間違いありません。しかし、まだ韓国政府に正式に伝わっているかどうかぎりぎりの段階というようなところですから、そんな結論が出ているということはあり得ないことでございまして、相手方の御返事を待っているというところでございます。また、法務大臣には、「もし入国するということになったら入国について御配慮を賜りたい」という御挨拶に行きまして、前にも申し上げましたように事務方で話をしています。また、警察におきましても、どういう対応をするかということについて、対応の協議を始めてもらっております。先週、外務大臣にも、「こういうことでお招きをしたい」と申し上げたところでございます。

問 今の話で、警察の方での対応を協議というのは、具体的にどんな協議でしょうか。

答 警察では、旅券法違反ですから、もし日本へ入国されたら、当然取調べをやらなければなりません。これについて、特別配慮ができるかどうかということについてお願いをしているところであります。

問 法務大臣への御挨拶をなさったというのは、いつ頃ですか。

答 今週の初めです。

問 先ほど、岡田外務大臣も「そういう方向でやりたい」というふうに仰ったという話だったんですけれども。

答 そういう方向って、岡田君がそういう方向って、金賢姫のことですか。

問 はい、そうです。

答 いや、何も、岡田さんは分かりましたと言っただけですよ。

問 それは了承されたということなんでしょうか。

答 「反対です」とは言わなかったな。「困ります」とも言わなかったな。

問 基本的に、韓国側との交渉は外務省を通じて正規のルートでやっているということでよろしいでしょうか。

答 外務省を通じて、また、金賢姫を預かっている所もありますから、そこへも仁義を通してということだと思います。静かに是非お願いいたしますよ。騒ぎ立てたら来れなくなる可能性がありますから、嫌みじゃなしに。

問 韓国政府にちょうど言ったかどうか位だというお話ですが、実際、まだ正確には分かっていない。

答 いや、言っていると思いますがね。

問 韓国側の一番の窓口はどちらになるのでしょうか。

答 知りません。僕にそんな細かいことを聞かないで下さい。すぐ、問い合わせをするんだから。静かに。昨年、耕一郎さん以下御家族の方が会いに行った時も釜山でしたからね。それじゃあ釜山にお住まいかというと、それは違うんだと、違うと言うか分からない。だから、まだ韓国においては非常にデリケートな存在だろうし、韓国政府やいろんな機関も非常に神経質に対応されていますから、日本へ出した時の日本の反応というのを気にしていらっしゃるんだろうと僕は思います。


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最初に大臣が言ってる「某民放テレビ」ってのは、4日のフジテレビの以下の報道のことでしょう。

1987年の大韓航空機爆破事件の実行犯・金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚が、4月にも来日することがわかった。拉致被害者の横田 めぐみさんについて、何らかの証言をするとみられる。
政府関係者によると、金元死刑囚は、大韓航空機爆破事件の際に偽造パスポートを持っていたことから、旅券法違反の疑いが持たれていて、来日前に事情聴取する方向で調整しているという。
また、死刑囚の入国は認められていないが、特例措置として入国を認める方針。(FNN)

 News : 金賢姫元工作員来日へ協議、公安委員長は配慮要請
        投稿者 trycomp 投稿日時 2010-3-5 12:47:59 (246 ヒット)
 拉致問題担当の中井国家公安委員長は5日午前の閣議後の記者会見で、大韓航空機爆破事件の金賢姫(キムヒョンヒ)元工作員の来日に向けて、千葉法相、岡田外相と協議したことを明らかにした。

 協議は先月末から今週初めにかけて行われた。金元工作員は元死刑囚で、日本でも旅券法違反事件の捜査対象になっているため、中井国家公安委員長は千葉法相に対し、「入国について、配慮してほしい」と要請。警察当局にも対応を検討するよう求めたという。

 韓国との来日交渉については、「相手の返事を待っているところで、まだ結論は出ていない」としている。

 金元工作員は昨年5月、韓国で面会した政府関係者に、「北朝鮮で(拉致被害者の)横田めぐみさんと会ったことがある」と証言しており、来日の意向も示しているとされる。
(読売新聞)


http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100305-OYT1T00426.htm


中井大臣の18日の記者会見より

問 昨日、拉致問題の会議で金賢姫元死刑囚のことについて、間接的な情報なんですけども、発言があったということがありました。その証言について横田めぐみさんに会ったということを大臣が発言なさったということですけども、その事実関係についてまず伺いたいのですが。

答 (大臣)今年、記者会見で、韓国において金賢姫さんの取材で、去年の5月に日本政府の調査があって、その中で、実は横田めぐみさんに会ったことがあると証言したと、日本政府はそのことを知っているはずだというニュースがあって、私に質問があったことは御承知のとおりでございます。私はその事実を知りませんで、金賢姫さんは田口八重子さんを通じて横田めぐみさんの存在を知っておったということだけを聞いていたもんですから、直ちに拉致対策室の者に調査を依頼いたしましたところ、そういう資料が出てきたと、確かに3人で調査に行ってそういう証言を得ているという資料が出てまいったわけでございます。どうしてそれらが私共に上がってきていないのか。また従来の政権がこれをどうして放置しておったのか分からなかったんですが、私としては横田さん御夫妻にこのことをお知らせする、これは前々から家族の方々ときちっと分かった情報はお知らせをするという約束をいたしておりましたから、横田さん御夫妻にその資料を御覧いただきました。横田さん御夫妻も初めての情報だということを言われ、従来は伝聞で聞いておるからどうしても金賢姫さんに会いたいということではないとお漏らしになってたんですが、横田さん御夫妻は、お嬢さんが精神的な病で入院して死んだという北朝鮮の宣伝を非常に気にされて、娘は望郷の念の余り、若い時からひょっとしたらそういう状況になったんじゃないかという心配を抱いておられたと。しかし、非常に元気でいい子に育っていたというのを聞いて、ある意味で本当にほっとしたと。そういう話を聞けるのなら金賢姫に会いたいという御希望でございました。したがいまして、私はそれを受けて、事務方に韓国政府との交渉をと、また、警察や法務省内部においては彼女が入国をしても支障のないような対応をいただけないかと要請をいたしているところでございます。これはまだ始まったばかりですし、これからうまく時期を見計らって招致ができるように頑張っていきたいと思っています。

問 関連して、今韓国側との協議については行うことは未定だと。

答 (大臣)スタートしています。意思表示はいたしております。ファン・ジャンヨプさんのこともありますので、時期やどういう状況でやるかということはこれからの詰めでございます。

問 先程ちょっとありましたけども、大韓航空機の爆破事件に関しまして、旅券法違反ということが、まだ未解決のまま残っていますけども、招致をする際にその辺が障害になると懸念されると思うんですけども、その辺大臣のお考えはどうでしょうか。

答 (大臣)その辺を調整していただきたいということで、お願いを申し上げているところでございます。これもまたこれからのことでございます。
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