
投稿者
trycomp 投稿日時 2009-12-2 17:50:14 (996 ヒット)
12月1日、下記のような記事が出た。
拉致対策本部に民間の北朝鮮専門家
拉致被害者の情報収集強化を目指す政府の拉致対策本部に、特定失踪者問題調査会の真鍋貞樹副代表ら2人が民間人として初めて加わることが明らかになりました。
民間の北朝鮮専門家として新たに拉致対策本部に加わるのは、拉致の可能性が捨てきれない失踪者を調べている「特定失踪者問題調査会」の真鍋貞樹副代表とアメリカの人権団体「北朝鮮自由連合」の山本吉国常任委員の2人です。
中井拉致問題担当大臣は、拉致被害者の情報収集の強化のため、当初予算6億円からおよそ20億円への増額と、民間の北朝鮮専門家らの増員を予定。すでに、11月下旬からは警察庁から出向の職員2人が新たに配属されました。
対策本部は近く、真鍋氏ら民間スタッフを含む初会合を開催する予定で、国が民間の北朝鮮専門家のネットワークを生かして拉致被害者救出に取り組む初めての体制がスタートします。(TBS 01日02:40)
この「民間からの登用」ですが、10月16日の記事ですでに検討していると報じられています。私はその際、拉致対策本部への民間からの登用はどういうものになるのかわからないが、救う会や調査会からの登用は筋が違うだろうという記事をエントリーしています。この時は、どちらかと言うと「救う会」からの登用を心配していたのですが、実際には「調査会」からの登用でした。
調査会の荒木代表は、一昨年から昨年、救う会が政府(対策本部)と合同で開催した大規模集会を政府と一体となった運動であるとして批判してきた。私もその批判に同意して救う会の「政府一体化」を批判してきた。
では、この対策本部に調査会副代表が加わることも「政府との一体化」ではないのか。大規模集会を共催することは「政府との一体化」だが、拉致対策本部への参加は「政府との一体化」ではないというのだろうか。
「救う会」の人が今回、拉致対策本部に登用されていたらまた「政府との一体化」だと批判していたんじゃないのだろうか。(それは支援者も含めて。私だったら完全に批判していた。)
自公政権から民主党政権に変わったといっても、政府の拉致問題への取り組みが劇的に変化したということは今のところない。
昨年の5月6日の調査会ニュースで荒木代表はこう書いています。
しかし昨年10月末、調査会の出した要請文書の中にあるように、政府の方針は「北朝鮮自身が拉致問題の解決に向けて具体的な行動を取るよう求めていく」ことだけであり、「政府の責任として拉致被害者を取り返す」とは一言も言っていません。それが拉致問題の現状です。それどころか、古川了子さん拉致認定訴訟を通じて政府は「政府認定者と未認定者に差別をつけてはいない」と言いながら、実際にはたとえば政府の北朝鮮向け短波放送「ふるさとの風」でも、こちらからの要請にもかかわらず特定失踪者についてはメッセージの放送どころか名前の読み上げさえしていません。すべての拉致被害者を救出するつもりなどないことは明白です。
(中略)民間の救出運動が政府と一体化したとき、運動は官僚機構、権力機構の中での整合性に合わせたものになり、内部にいる志ある人々が動くのにはマイナスにしか働きません。民間の運動は政府と一定の距離を保ち、建設的緊張関係の中で、協力すべきことは協力する、批判すべきことは批判するということが必要なのではないかと思います。
このような状況が変化したわけでもありません。
自公政権では駄目だが、民主党政権ならいいということは言えない。
調査会は、六者協議と日本政府の対応への批判を形に表すとして短波放送「しおかぜ」への対策本部からの支援金の受け取りを拒否した。あの時と情勢が変わったわけでもない。あの痩せ我慢はなんだったのか。
(注:私自身は、もう限界なので痩せ我慢はやめて「しおかぜ」への支援を受けるという態度変更はあっていいと思っている。ただそれならそれでカンパを要請してきた人々への表明はあってしかるべき。)
中井洽拉致担当大臣は、民社党所属議員として初当選。調査会の荒木代表、真鍋副代表も元民社党職員。それに引き替え「救う会」は自民党べったり。それが調査会副代表が登用された理由、というのは下司の勘ぐりでしょう。でも、下司の勘ぐりは消えないですよ、きっと。
中井大臣は拉致認定の要件を緩和する方向での見直しを表明している。今後、特定失踪者の中から拉致認定される人が出てくるかもしれない。その時、素直に受け取られるのだろうか。それが一番の心配である。
いつもなら何かあった時、素早く発信される「調査会ニュース」だが、今回の件についてはまだ発信されていない。正式発表があってからということなのかもしれないが、官僚じゃないんだから、こうしてTBSが報道した以上、調査会からのコメントがあるべきだろう。
対策本部での「民間人」がどのような形で、どのような権限で参加するのかはわかっていないので、上の批判、心配が杞憂に終わるかもしれない。それならそれでいいのだが、今のところ「しおかぜメーリングリスト」等でも疑問も批判も出ていないので、私が書いておく。「救う会なら批判するが、調査会だから批判しない」というのは許されないから。