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 評論 : 「よど号」グループの<見解>について
        投稿者 trycomp 投稿日時 2007-7-13 13:17:17 (4831 ヒット)
「よど号」グループの<見解>について


 今年に入り、高知県の旧「香北町」出身の女性であり、「よど号」グループのメンバー・岡本武の妻になった福留貴美子さんに関する新たな事実が次々と明らかにされ、また6月26日には警視庁・公安部に「よど号グループにかかわる拉致事件等特別捜査本部」が設置され、「よど号」グループが関与した事案のいっそうの真相解明が期待されています。
そして先日、今年の3月に「よど号」グループがマスコミ各社に送り付けた『「福留貴美子拉致事件」に関する私たちの見解 ―「もう一つの拉致」を煽るマスコミ― 』なるものがネットに掲載されました。その<見解>の中で名指しされた私たち(「救う会神奈川」と「救う会高知」)は「よど号」グループに対して、以下の疑問点への真摯な回答を求めたいと思います。

1.「よど号」グループはかつて“岡本の妻は北朝鮮の女性である”と言明し、それ以降、自らが訂正や撤回をする事はなかった。日本国内の支援者たちはそれに納得し、更には“岡本は北朝鮮に帰化した”という説明をも受容し、何年もの間それが事実と見做される事で岡本の存在は次第に視野から遠ざかり、「よど号」グループの中から姿が薄れて行った。「よど号」グループは何故その様な虚偽を流布させ、その事によって何を隠蔽しようと企図したのか? 

2.「1970年代中葉」(小西隆裕が故・福留正信氏に宛てた1996年8月1日付の手紙の記述)の岡本と福留さんとの結婚を20年近くも隠し続け、しかも、岡本の生存を前提にした<帰化>の話が、妻である女性が日本人と明かされた途端に「二人が土砂崩れのため死亡した」(前述の手紙)と切り替えられたのは余りにも不自然である。それは、1995年の春に訪朝した高沢皓司氏にグループのリーダー・田宮高麿(同年11月に死亡とされる)が洩らした内容が、それまでのストーリーを一挙に瓦解させてしまう内容だった故に再び捏造した新たな虚偽に過ぎないのではないか? 

3.1996年8月7日に『朝日新聞』が、岡本の妻が高知県出身の日本人女性である事をスクープした僅か2日後、『東京新聞』がすかさず岡本・福留夫妻は「作業中に事故が発生し死亡した」、「二人の墓もある」と報じ、それに加えて「二人の遺骨を引き取りに来てほしい」という「よど号」グループの意向も伝えられた。その2週間後、すでに訪朝して小西から8月1日付の手紙を託された元「赤軍派」議長・塩見孝也氏が高知の福留家を訪れ、ほぼ同時期に柴田泰弘は東京で知り合いの記者を集めた非公開の会見を行なっている。これらの一連の動きが『朝日新聞』のスクープを事前に察知した上での対応である事は言うまでもなく、「よど号」グループと国内の支援者が連携した工作活動であった事に疑いは無い。この工作の目的が、岡本・福留夫妻の<死亡>を告知して説明する事ではなく、それを闇雲に既成事実化する事にあるのは明白であり、その様な意図の下で為された言説に何一つ説得力が無いのは当然ではないか?

4.岡本・福留夫妻が1988年に作業中の事故、あるいは土砂崩れで死亡したと言うのなら、「よど号」グループは二人の葬儀を執り行ったのか? 吉田金太郎や田宮高麿の場合とは異なり、8年もの長い間、実家に伝えられる事が無かった理由は何なのか? そして、異国の地で苦労を共にした同志・仲間である筈なのに、今年初頭に死去した田中義三とも著しく異なって、惜別や追悼の言辞が表明されないのは何故なのか? 

以上について、「よど号」グループの誠意ある回答を求めます。


平成19年7月13日

「北朝鮮に拉致された日本人を救う神奈川の会」(救う会神奈川)

「北朝鮮に拉致された日本人を救出する高知の会」(救う会高知)




『「福留貴美子拉致事件」に関する私たちの見解 ―「もう一つの拉致」を煽るマスコミ― 』全文は以下
http://nyt.trycomp.com/modules/news/article.php?storyid=6479

「北朝鮮による拉致被害者と家族の人権を考える四国高知県民集会報告」(救う会高知主催)
http://araki.way-nifty.com/araki/2007/05/post_3393.html


【参考資料】
朝日新聞1996年8月7日

「よど号」事件岡本容疑者 妻は二〇年前失踪の高知県の女性
故田宮容疑者、生前に明かす

日航機「よど号」ハイジャック事件で朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に渡った元赤軍派メンバーのうち、ただひとり現地の女性と結婚したと伝えられていた岡本武容疑者(51)の妻が、実際は高知県出身の日本人(44)であることが六日、わかった。公安当局もこの女性の確認を急いでいる。この女性は高校を卒業後上京し、「海外旅行に行く」と書い残したまま失跡。一九七〇年代半ばに北朝鮮に渡ったらしい。岡本容疑者は政治的対立から他のメンバーと離れているといわれ、動静は不透明のままだ。
「よど号グループ」のリーダーだった田宮高麿容疑盾=去年十一月に死亡=が生前、ジャーナリストの高沢皓司さん(48)に明らかにしていた。
それによると、この女性は七六年夏に、第三国経由で北朝鮮に入った。現在、岡本容疑者との間に十代後半の娘が二人いるという。
高知県在住の母親(79)らの話では、女性は県立高校を卒業後、東京で就職。都内の同じアパートに住んでいた友人に七六年七月、「海外旅行に行く。年末には帰って来る」と書い残して出たまま、行方を絶った。荷物は部屋に残したままだった。翌七七年夏、この女性の名前で「お金には不自由していない。もう一年ほど外国にいるつもりです」と書かれた、東欧の消印の手紙が届いた。これを最後に、実家への連絡は途絶えた。
母親は「娘がいなくなってから眠れない毎日が続いた。でもどこかに無事にいるのではないかと思い、それを支えに二十年間、生きてきた。元気で帰って来ることだけを願っている」と話した。
岡本容疑者の動静についてはこれまで「北朝鮮の女性と結婚し、北朝鮮に帰化した」とされていた。
よど号ハイジャック事件=一九七〇年三月、赤軍派メンバー九人が日航機「よど号」を乗っ取り、北朝鮮行きを強要。同機は平壌に到着し、メンバーは北朝鮮当局に投降した。吉田金太郎容疑者(死亡)を除く八人とも現地で結婚しており、岡本容疑者を除く全員の相手が日本人とされていた。


東京新聞1996年8月9日

岡本容疑者と妻死亡? 元赤軍派よど号犯 8年前、作業中事故で

一九七〇年のよど号乗っ取り事件で朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に渡った元赤軍派メンバーで消息が途絶えていた岡本武容疑者=逮捕監禁容疑などで国際手配=と同容疑者の日本人の妻が約八年前の一九八八年ごろ、同国内の作業場で死亡していた可能性が強いことが九日、関係者の話で分かった。
同国内に残るよど号メンパーが関係者に「二人の遣骨を引き取りに来てほしい」と伝えたという。公安当局も確認を急いでいる。
同容疑者は八二年に日本の訪朝団が面会して以来、消息が確認されていない。妻は高知県出身の女性で、七六年に日本で失踪し、行方不明になっていた。その後北朝鮮に渡ったとみられる。
関係者によると、同夫妻は八八年ごろ、リーダーの故田宮高麿元赤軍幹部=昨年十一月に死亡=に娘二人を預けて作業場に出かけたが、作業中に事故が発生し死亡したとされる。二人の墓もあるという。
同夫妻の死亡後、岡本容疑者の実家に「北朝鮮人の妻と結婚した」などする手紙が届いており、同容疑者は帰国の意志はないとされていた。
岡本容疑者は京大農学部中退。七〇年三月に日航機よど号を乗っ取り北朝鮮に渡った。その後、活動力針をめぐり他のメンバーと対立。政治犯の強制収容施設に隔離されたとされていた。



 
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