
投稿者
trycomp 投稿日時 2006-12-19 17:39:07 (1369 ヒット)
よど号ハイジャック事件メンバーと北朝鮮で結婚後、事故死したなどと伝えられる旧香美郡香北町(現香美市)出身の福留貴美子さんについて、県警は18日、支援組織「救う会・高知」(森田和博会長)が「福留さんは何者かに北朝鮮に拉致された」として容疑者不詳のまま国外移送目的略取容疑で提出していた告発状を受理した。
同会が11月14日に提出した告発状は「よど号グループと共謀した何者かが昭和51年7月、福留さんをグループの妻にするためうその話で勧誘、日本から第三国を経由し北朝鮮に移送した」とする内容。
県庁で会見した森田会長らは「捜査で、北朝鮮に移送された経緯が明らかになり、略取にかかわった人物が特定され相応の処分が下されることを強く願う」などとする声明を発表。警視庁が旅券法違反(無断渡航)容疑で福留さんの逮捕状を取っているが、同会は告発状を受理した県警の判断について「捜査するに足る合理的な疑いがあるということではないか」としている。
県警本部警備一課は「同様の告発事例の取り扱いや時効などの要件を精査して受理した。受理で拉致被害と認定するものではないが、関係機関と協力して捜査を進める」としている。
http://www.kochinews.co.jp/0612/061219headline05.htm#shimen5
声 明 文
本日(18日)、高知県警察本部より、先月14日に「北朝鮮に拉致された日本人を救出する高知の会」(「救う会高知」)が提出した告発状を受理する旨の回答が為されました。「救う会高知」は今回の高知県警察本部の決定に感謝し、また深く敬意を表するものであります。
今後の捜査によって福留貴美子さんが日本から北朝鮮に移送された経緯が明らかになり、貴美子さんの略取に関わった人物が特定されて相応の処分が下される事を強く願っております。
貴美子さんの母である故・福留信子さんは生前、「家族会」の集まりに参加し、また外務大臣に宛てて「要請書」を提出する等、娘を救出すべく積極的に活動されていましたが、再会は遂に叶わず、心労と無念の内に亡くなられました。
私たち「救う会高知」は、物部川が流れ、山桃が実る故郷へ貴美子さんが帰って来る日まで、全力で救出活動に取り組んで参ります。
そして、過酷な運命に直面したまま未だ帰還が叶わない100人を超える拉致被害者とその家族・親戚・友人の方々に心を寄せ、全ての同胞の帰国が実現する日まで尽力致します。
また、高知県を始めとする県内の地方公共団体が、本年6月に施行された「北朝鮮人権法」(通称)に基づいて、今後なお一層の啓発活動を推進して行く事を期待しております。
最後に、県民各位の「救う会高知」への更なるご理解とご協力をお願い申し上げます。
以 上
平成18年12月18日
「北朝鮮に拉致された日本人を救出する高知の会」(「救う会高知」)
福留貴美子さんは、昭和51(1976)年、モンゴルに行くと言って出国したまま行方不明になっていた。その後、福留さんの消息がわかるのは1996年になってからである。北朝鮮に渡ったよど号ハイジャック犯を取材していたジャーナリストの高沢皓司氏が、1995年、よど号犯リーダーの田宮高麿から、北朝鮮人女性と結婚したとされていた岡本武の妻が実は日本人であることを聞く。断片的な情報であったが次ぎのようなものだったという。
名前は、たぶんフクトメさん
出身は高知県、山奥だったと言っていた
年齢は1977年当時、24〜25歳
中学か高校の時に剣道部にて県大会のような試合に出たことがある
大学は東京
東京で一時働いていた
失踪時期は1976年ごろ
生家の庭にヤマモモの木があったらしい。子供の頃よくその木に登って遊んだ
名前については、田宮は「たぶんフクトメさん、下の名前は一度だけキミジャと語られるのを聞いたことがある」と言ったという。『日本革命村』という閉鎖された場所に一緒に住んでいながら名前も知らないのかと思えるが、八尾恵の「謝罪します」によると、八尾自身、柴田泰宏と結婚して「革命村」に入る前、お互いの個人の秘密保持のためにこの村だけで名乗る「組織名」を使うと説明されたという。八尾恵は「中山明子」、柴田泰宏は「小沢」と名乗り、福留貴美子さんは「坂本敦子」と名乗っていたという。
高沢氏は上のような断片的な情報から該当者を捜し始めるがなかなか見つからなかった。そこで新聞社の友人である記者に相談をして探してもらった。記者は二週間ほどで探し出してきたが、そこには「ヤマモモ」の木がなかった。更に調査すると、現在の家は引っ越しをしてきたのだという。引っ越しをする以前の山奥の家を高沢氏と記者が見に行くと、そこにはヤマモモの古木が残されていた。上記の救う会高知の声明文の中にある「山桃が実る故郷」には、こういう背景がある。こうして、福留貴美子さんの消息が明らかになる。
妻は20年前に失跡の高知県の女性 「よど号」事件の岡本武容疑者
1996.08.07 朝日新聞 東京朝刊
日航機「よど号」ハイジャック事件で朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に渡った元赤軍派メンバーのうち、ただひとり現地の女性と結婚したと伝えられていた岡本武容疑者(五一)の妻が、実際は高知県出身の日本人(四四)であることが六日、わかった。公安当局もこの女性の確認を急いでいる。この女性は高校を卒業後上京し、「海外旅行に行く」と言い残したまま失跡。一九七〇年代半ばに北朝鮮に渡ったらしい。岡本容疑者は政治的対立から他のメンバーと離れているといわれ、動静は不透明のままだ。
「よど号グループ」のリーダーだった田宮高麿容疑者=去年十一月に死亡=が生前、ジャーナリストの高沢皓司さん(四八)に明らかにしていた。
それによると、この女性は七六年夏に、第三国経由で北朝鮮に入った。現在、岡本容疑者との間に十代後半の娘が二人いるという。
高知県在住の母親(七九)らの話では、女性は県立高校を卒業後、東京で就職。
都内の同じアパートに住んでいた友人に七六年七月、「海外旅行に行く。年末には帰って来る」と言い残して出たまま、行方を絶った。荷物は部屋に残したままだった。
翌七七年夏、この女性の名前で「お金には不自由していない。もう一年ほど外国にいるつもりです」と書かれた、東欧の消印の手紙が届いた。これを最後に、実家への連絡は途絶えた。
母親は「娘がいなくなってから眠れない毎日が続いた。でもどこかに無事にいるのではないかと思い、それを支えに二十年間、生きてきた。元気で帰って来ることだけを願っている」と話した。
岡本容疑者の動静についてはこれまで「北朝鮮の女性と結婚し、北朝鮮に帰化した」とされていた。
<よど号ハイジャック事件> 一九七〇年三月、赤軍派メンバー九人が日航機「よど号」を乗っ取り、北朝鮮行きを強要。同機は平壌に到着し、メンバーは北朝鮮当局に投降した。吉田金太郎容疑者(死亡)を除く八人とも現地で結婚しており、岡本容疑者を除く全員の相手が日本人とされていた。
福留貴美子さんの消息を明らかにしたのが、高沢皓司氏という個人の働きだったのと同様、今回の受理に結びついた動きは、岡田和典氏(特定失踪者問題調査会理事)と川添友幸氏(救う会神奈川会長)の両氏によるところが大である。岡田氏は救う会兵庫でも活動されており、兵庫にはよど号犯によって拉致された有本ご夫妻がいる。川添氏は、同じくよど号犯によって拉致された松木薫さんの姉、斉藤文代さんの活動をフォローされていて、お二人ともよど号犯グループによる「拉致」の真相究明と被害者の奪還を目指している。このよど号犯による拉致を解明するためにも、福留貴美子さんの拉致を明らかにしなくてはならないのである。お二人は一昨年から何度も高知に入り、関係者にあたり情報を収集すると共に働きかけを続けた。福留貴美子さんの帰りを待ちつづけたお母さんが亡くなっていた為、直接声を挙げる人がいない状況の中、困難を極めたが、高知出身の萩原遼氏や高沢皓司氏の協力も得て、救う会高知も発足し、告発、受理に結びついていった。
警視庁は2005年のよど号ハイジャック事件に絡む東京地裁の民事訴訟で、「福留貴美子さんを拉致被害者とは考えてはいない」と証言している。
よど号妻の拉致被害を否定 警視庁幹部、訴訟で証言
よど号ハイジャック事件に絡む東京地裁の民事訴訟で警視庁公安部幹部が11日、1976年に24歳で北朝鮮に渡航したとされ、「救う会」が政府に拉致被害者と認定するよう求めている高知県出身の女性について「拉致被害者とは考えていない」と証言した。 女性は北朝鮮でよど号メンバーの故岡本武容疑者と結婚、既に死亡したとされるが、救う会は「だまされて北朝鮮に行き、よど号メンバーと結婚させられた立派な拉致事件。証言の意図を測りかねる」としている。 証言したのは、警視庁公安1課の中村登警視。(1)女性は日本に一時帰国した際、友人宅に泊まるなどしており、逃げる機会があった(2)海外の領事館で自ら旅券更新をしている−などを拉致被害者と判断しない理由として挙げた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051011-00000235-kyodo-soci今回の高知県警の告発受理がこの警視庁の見解を直接的に否定するものではない。しかし、警察は、福留貴美子さんが北朝鮮に入国した経緯を把握はしていないと見られる。拉致かどうかの判断は、少なくとも入国の経緯を明らかにしてからだろう。受理が、この解明に繋がることを期待したい。
1977年という時期、「モンゴルに行きたい」と願っていた女性が何故か北朝鮮で存在したいたという事実。何らかの「作為」がなければ起きえない事柄である。この「作為」は「北朝鮮」だけが行ったのではなく、第一の主体は「日本」にあるはずである。

