「日本人少女拉致疑惑事件」を斬る/「慰安婦」補償対策委の詳報(上)

テロと拉致の本山でねつ造された「事件」


 共和国の「従軍慰安婦」・太平洋戦争被害者補償対策委員会が4月28日に発表した「日本人少女拉致疑惑事件」と関連した詳報「『日本人少女拉致疑惑事件』を診断する」を上、下に分けて紹介する。(朝鮮通信、中見出しは編集部)

 日本では今、「北朝鮮工作員」による「日本人少女拉致疑惑事件」の解明と称して奇怪な騒ぎが繰り広げられている。

 われわれは、日本の保守政治家たちと御用マスコミが「国家安全企画部(安企部)」のねつ造した謀略劇に同調するのではなく、正義と不義を明確に識別してペンをとるよう再三警告した。

 しかし、彼らは南朝鮮かいらい集団の政治的注文に沿って嘘と欺瞞、黒白を逆転させた論理で世論を引き続き誤導している。ことに、理性的な判断力を持つという一部政治家たちが「安企部」のねつ造した「証人」の荒唐無稽な「証言」を事実として受け入れ、「疑惑解明」のための「超党派議員連盟」まで発足させ、共和国による「日本人少女拉致」を既成事実化しようとする状況で、われわれは疑惑の真相を究明せざるを得ない。

 南朝鮮は歴史的にテロと拉致で悪名を轟かせたテロと拉致の総本山である。

 南朝鮮の歴代統治者らは執権危機が到来する度にテロと拉致を公然と行い、ショッキングな反共和国謀略事件をねつ造してきた。

 

金大中拉致事件も

 呂運亨、チョウ・ボンアムなどの愛国民主人士、右翼の巨頭である金九までも連共愛国の道を模索したとして殺害された。

 南朝鮮で社会の民主化と平和統一の機運が胎動していた1967年に「安企部」の前身である「韓国中央情報部」(KCIA)によって繰り広げられたのが、「南朝鮮赤化工作団事件」である。この事件で著名な音楽家、尹伊桑氏をはじめ数10人の海外僑胞が西ドイツ、フランス、イタリアなど西欧諸国から拉致されて南朝鮮に連行され、多くの人々が処刑された。

 73年8月8日、東京の一角で白昼に演出されたのが「金大中拉致事件」だ。金大中の反独裁活動に危惧の念を抱いたKCIAは、米国での暗殺を狙った「トマトソース作戦」を失敗させるや、日本まで追撃して拉致したのである。

 元KCIA部長の金炯旭を拉致し、「青瓦台」地下室で殺害したのもかいらい集団だ。

 

盧「政権」時の4倍

 「安企部」は金泳三「文民政権」時代に入りさらに肥大しただけでなく、テロと拉致、殺人手法も残酷さを増している。

 南朝鮮の出版物が発表した資料によると、金泳三が政権の座についた93年2月から94年7月までの間に、「安企部」が逮捕、拉致した人物の数は634人で、盧泰愚政権時の同期間に比べ4倍も増加している。

 「安企部」は93年9月、「金三石兄妹スパイ事件」をねつ造したのをはじめ、こんにちまで数多くのテロおよび拉致事件を起こしている。

 テロと拉致の総本山であるこの「安企部」が、今回は「北朝鮮工作員」による「日本人少女拉致」という謀略劇を、日本を舞台に演出したのである。

 70年代から現在までに数多くの日本人少女が行方不明になったことが事実であれば、彼女たちは今、どこで何に利用されているのだろうか。(朝鮮新報97/5/13)

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